CSRフラッシュ

車をおいて街に。「カーフリーデ-」を日本でも広げよう!

クルマは便利な乗り物。でも、たまには徒歩や自転車で出かけてみてはいかが! 2000年に欧州で始まった「カーフリーデー」に今年も世界の2000近い都市が参加。日本の先駆けとなったカーフリーデ―ジャパンの望月真一さんに聞いた。
カーフリーデー1

Q1.「ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデー」が、今年も世界の各地で行われました。どのような趣旨のイベントなのでしょうか。

望月:国際的な環境と交通の政策推進プロジェクトとして普及しました。交通政策は欧州全体で先行していると思われがちですが、ラテン系のフランスなどでは遅れがちでした。そのフランスのラ・ロッシェルという人口約16万人の都市で、「車のない日」として始まりました。1997年のことです。

1998〜1999年には「街では車を使わない日」として、フランスや周辺国の他の都市でも実施されるようになりました。

私は最初に行われたラ・ロッシェルで、このイベントに出会って以来、日本でも重要な活動と思い、毎年参加するようになり、その後、日本の窓口になっています。

一般社団法人カーフリーデ―ジャパンの望月真一さん

一般社団法人カーフリーデ―ジャパンの望月真一さん

2000年には欧州委員会の催しとなり、9月22日の「カーフリーデー」として欧州各地に広まりました。2002年には「ヨーロッパモビリティウィーク」という名称になり、メインイベントである「カーフリーデー」の前1週間を市民が持続可能な都市の交通を考える機会として、「モビリティウィーク」を実施するようになりました。

日本では、「ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデー」という名称を、ヨーロッパでは「EUROPEAN MOBILITY WEEK」という名称を使っています。

横浜市で行われたイベントの模様

横浜市で行われたイベントの模様

今年の欧州での取り組みとしては、イギリスのノッティンガムでは、自転車利用や徒歩を推奨し、さまざまな交通手段についての情報提供を行いました。ポルトガルのアヴェイロでは、自転車やその整備方法、サイクリング経済学について学ぶことができるワークショップやイベントが行われました。スウェーデンのストックホルムでは、旧市街一帯とその他のにぎやかな商店街の通りをカーフリーエリアに設定されました。

こうした取り組みによって、クルマに過度に依存した都市交通のあり方を市民・行政が一緒に考えていく機会となっています。参加した人々は都市の環境と交通政策に関心をもち、それぞれの都市はさらに美しい街になったと言われています。2014年には世界の2,013の都市で開催されました。今年2015年は1,869都市(10月19日現在の数字現在集計中です)となっています。全体のほとんどが欧州の都市ですが、アジアや南米の都市も参加しています。

カーフリーデー4


Q2.日本では10都市が参加していますが、どのような都市がどのような取り組みをされたのでしょうか。

望月:日本は2004年からの参加になります。今年で12年目となり、今年は仙台市、さいたま市、横浜市、松本市、福井市、豊橋市、京都市、大阪市、高松市、那覇市の全国10都市で9月16日(水)から9月22日(火))の1週間、それぞれの都市ごとに多彩な催しを行いました。


1.仙台市「交通を考える研究会」

交通を考える研究会運営「バス使いになろうよ」webサイト

「クルマ中心の生活を見直していこうよ展」を実施。仙台駅前にて新たに開業する地下鉄についての案内を掲示。9/23(水・祝)仙台市主催「魅力いっぱい!交通フェスタ2015」へのブース!

(写真提供:交通を考える研究会)

(写真提供:交通を考える研究会)


2.さいたま市「さいたまカーフリーデー実行委員会」

さいたま市webサイト

交通・環境に関する取組紹介のほか、市が普及に取り組んでいる電動二輪モビリティ(運転免許が必要)やコミュニティサイクルの試乗会、コミュニティバス展示、バスの乗り方教室などを実施!

カーフリーデー6


3.横浜市「「NPO法人横浜カーフリーデー実行委員会」

NPO法人横浜カーフリーデー実行委員会webサイト

寸劇と歌で学ぼう交通安全、観光PRと物産展、UD・EVタクシーの展示、体験できます(ソーラークッキング・人力発電)ミニ白バイ・ミニ収集車の試乗、一輪車の演技、みんなで歩こう日本大通り/消防音楽隊、iPhoneスタンプラリー・子どもコマ大戦。【交通止め:日本大通り】

 市民が思い思いにパレード(写真提供:NPO法人横浜カーフリーデー実行委員会)

市民が思い思いにパレード(写真提供:NPO法人横浜カーフリーデー実行委員会)


4.松本市「松本市ノーマイカーデー推進市民協議会」

松本市webサイト

街頭キャンペーンやノーマイカー通勤の市内一斉実施。当日にはトランジットモールやパネル展示、四輪自転車の試乗体験。今年はまちじゅうにオープンカフェを設け、居心地の良いまちなかを。
【交通止め:高砂・中町・縄手・緑町・大名町通り】


5.福井市「カーフリーデーふくい実行委員会」

モビリティウィーク&カーフリーデーふくいwebサイト

フリーキップをもらっての「ちょい旅」イベント、電動レンタサイクルや電動バイクの展示、福鉄FUKURAMUの動画放映など実施!関連イベント「まちフェス」(10/4)での出展では、バスの乗り方教室も実施されます!


6.豊橋市「愛知県豊橋市役所」

愛知県豊橋市役所webサイト

自転車の無料診断、自転車シミュレーター体験、健康測定ブースなどを実施!イベント参加者には、当日の会場間や帰りの公共交通が割引になる、カーフリーデーきっぷを配布(先着順)。【交通止め無し】

    

自転車の無料診断を行う(写真提供:愛知県豊橋市役所)

自転車の無料診断を行う(写真提供:愛知県豊橋市役所)

     


7.京都市「京都カーフリーデー実行委員会」

Slow “Mobility” Life Project (京都カーフリーデー実行委員会事務局)webサイト

週ごとにテーマを設けたパネル展示、また自転車試乗体験や「バスに乗りたいプロジェクト」、カーフリーデーマルシェ、スタンプラリーなどを開催!【交通止め無し】


8.大阪市「自転車文化タウンづくりの会」

自転車文化タウンづくりの会webサイト

「第9回御堂筋サイクルピクニック」同時開催。アピール走行、子ども自転車教室、自転車試乗会や自転車をテーマとしたトークショー、自転車マーケットなどの自転車をメインとしたイベントを実施【交通止め:中之島公園周辺、なにわっ子ホリデー】


9.高松市「カーフリーデー高松推進協議会」

高松市webサイト

リニューアルされる“新まちバス”の乗車体験・無料乗車券のプレゼントや、自転車をそのまま載せられるサイクルトレイン、ちゃりカフェなどを開催。また香川のおいしいものを集めたマルシェや、県産品等が当たる抽選会も実施!【交通止め:美術館通り】

バスで大集合(写真提供:カーフリーデー高松推進協議会)

バスで大集合(写真提供:カーフリーデー高松推進協議会)

              


10.那覇市「なはモビリティウィーク&カーフリーデー実行委員会」

那覇市webサイト

自転車まちめぐりやまちなかウォーク(共に、要事前予約)、バリアフリー体験教室、セグウェイ試乗体験などのブース、またカーフリー宣言をすることで、カーフリーデー応援店舗にて、割引特典等が受けられるキャンペーンも実施!【交通止め無し】

(写真提供:なはモビリティウィーク&カーフリーデー実行委員会)

(写真提供:なはモビリティウィーク&カーフリーデー実行委員会)



Q3.先進国では自動車離れもささやかれています。わが国では公共交通機関の整備の遅れ、自転車などの活用の遅れもあり、なかなか新しい交通体系の動きが見えません。地方ではカーフリーデ―などとんでもないという声もありそうですが…。

望月:欧州の先進都市では、街の中心部にはクルマの乗り入れができないところ、あるいはクルマを使いにくくしているところが増えています。ドイツでは40年ほど前から、フランスでも10年くらい前からそれが当たり前になっています。日本でも10年以上前から実施しているアンケートでの市民の回答は「都市でのクルマの利用は抑制すべきだ」との声が8割に及びます。

日本はママチャリも含めると自転車の利用はオランダやドイツに次いで世界有数ですが、自転車の道路における位置づけはいまも極めてあいまいなままとなっています。自転車走行路の整備などはまだまだ遅れた状態です。

もう一つ、採算性の問題から地方ではバスや鉄道の路線が次々と廃止されており、地方ではクルマに頼らざるをえない状況もあります。


Q4.東京オリンピックを機会にわが国でも自転車の活用を進めようという動きが始まっています。行政の動きにも詳しい望月さんは、わが国の新しい交通体系はどのようにあるべきとお考えですか。

望月:ロンドンからも学ぶべきことは多いと思いますが、東京オリンピックで自転車の活用を進めるには、いささか準備不足の感は否めません。

パリでの成功により、公共レンタサイクルが世界に広まりましたが、このシステムは自転車1台当たりの管理に年間20〜30万円かかっているようです。また、自転車の利用を本気で進めるには、最低でも合計2,000台の自転車を用意し、200mから300m単位で町々に自転車のステーションを置く必要があります。

台湾・台北では、当初は500台でまわそうとしましたがあまり成功しませんでした。3,000台から6,000台に増やしたところ、1日1台で12回転するようになったそうです。1回の平均利用時間は20分、距離は2㎞です。

ヨーロッパの環境都市と呼ばれる街では、「カーフリーデー」が都市政策の象徴的な催しになっています。日本でも、クルマ中心の社会を見直して、歩行者・自転車・公共交通が優先される社会となるべきです。都市の負担を環境面から軽減するためにも、私どもの活動に対する企業の参加、CSRによる支援を期待しています。

●ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデーの公式サイト

http://www.cfdjapan.org/

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