CSR勉強会特別編

第2回 「からだ」から始めるストレスマネジメント

シリーズ:自分を守る、ストレスマネジメント

前回は、ストレスから自分を守ることができるのは今の自分だけ、まずは1日3分間、自分と向き合う時間を作ろう、というお話でした。今回は、ストレスマネジメントを「からだ」から考えてみます。

悪循環に陥らないように

あなたは仕事が忙しい時、どのようなパターンにハマることが多いですか?
「忙しい→残業する→疲れる→集中力が低下する→仕事の効率が落ちる
→ますます終わらなくなる→ますます疲れる」
からだの面では、このようなことが起こっているのではないでしょうか。
同時に、こころの面では、
「仕事が溜まる→イライラする/無力感を感じる」
さらに、「疲れる(集中力が低下する)→メンタルなストレスに弱くなる
→ちょっとしたことで気分が落ち込む」
というメカニズムも働いているかもしれません。

同じストレッサー(ストレスの要因)でも、元気な時と疲れている時では、受け止め方や精神的なダメージが違ってくるものです。ストレスを溜めないためには、この悪循環を初期で止めるのが一番です。

まず睡眠時間を確保する

ストレスにつながる疲れを溜めない第一の方策が、睡眠時間の確保。睡眠の質、量ともに確保できればベストです。睡眠の質については、寝室の環境を整える、床に入る前にリラックスタイムを作るなど、様々な工夫が紹介されていますので、自分に合いそうなものを試してみるとよいでしょう。睡眠時間も、毎日は無理でも週に数日は、十分な睡眠時間を確保するよう心がけます。そのためには「自分の時間は、自分で作る」、タイムマネジメントについても考えるべきです。

睡眠は、こころの休養にもなります。起きている間は、あれこれ気になっていたことが、一晩眠るとすっきりして全く気にならなくなっていた、という経験は、誰にでもあるでしょう。眠っている間も、脳は働いているのです。ただし、ある程度の深さの睡眠が必要であることも分かってきています。 メジャーリーガーのイチローは、「小さなこと、日々の積み重ねを大切にする」と言っています。適度な睡眠で、その日のストレスを、その日にリセットしましょう。

生活リズムを整え、維持する

平日は十分な睡眠がとれないなら、休日の「寝だめ」はどうでしょう。一時的な効果はありますが、「寝だめ」で取れない疲れが溜まっていると、その後の悪循環につながる可能性があります。疲れを溜めない第二の方策が、生活リズムを維持することです。起床、就寝、食事などの生活時間を一定にして、からだのリズムを作ります。休日も極力、リズムを崩さないように。

やっと巡ってきた休日にはダラダラしたいという誘惑にかられる時もあるでしょう。それもOKです。大切なのは、「今日はダラダラしよう」と自分に宣言すること。「あれをやろう」「これをやろう」と思いながら、何もせずに過ごしてしまうと、後悔したり、自分を責める気持ちが残ってしまいます。自分の時間の使い方を決めるのは、自分です。

呼吸法で脳を活性化させる

第三の方策が、呼吸法です。といっても、特別なものではありません。ポイントは、複式呼吸で、息を吐くことに集中すること。息を十分に吐くことができれば、自然に吸う動作が生まれます。おヘソの下辺りで息を出し入れするイメージで、ゆっくりと「吐く:吸う」を「2:1」のペースで繰り返します。

緊張している時には、リラックス効果があります。さらに1日10回から20回、朝晩の習慣にすることで、全身の体調や気分に良い変化をもたらしてくれます。効果が現れるまでの時間には個人差がありますが、根気よく続けましょう。十分な酸素を取り込むことで脳が活性化され、酸素を多く含んだ血液が体中を巡るようになります。腹部を動かすので、内臓の強化にもつながります。呼吸法を中心にしたうつ病の治療法も提唱されています。呼吸はこころ、からだと密接に結びついているのです。

それでも眠れない、疲労感が強い、気分が落ち込む、などの状態が続いたら、迷わず専門家に相談してください。メンタル系の診療科に抵抗があるのであれば、まずは内科でもかまいません。深刻な状態になってから、「あとで考えると、あの頃からおかしかった」という人も多いのです。自分の変調に気づかないほど、忙しさに巻き込まれていたのかもしれません。そうなる前に、自分の状態を常にモニターして、先手を打つ。それが「自分で自分を守る」ストレスマネジメントです。


西村 圭子 (にしむら けいこ) 氏
国際基督教大学卒業。
証券アナリスト、企業広報、コンサルタントを経て桜美林大学大学院(臨床心理学)修了。
現在は精神科、小児科等でカウンセラーとして勤務。

「心と身体のストレスマネジメントについて」西村さんに直接ご質問されたい方はコチラへ↓ jibunwomamoru@gmail.com

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