[東日本大地震:仙台在住、CSRマガジンスタッフからの現地レポート]

「日本人はまだ大丈夫、きっと、また立ち上がる」

今回の地震について、TVや新聞のニュースで破壊された家や避難所の様子は報道されておりますが、一方で、自宅に残ることができた市民の生活もまた一変しました。 コンビニやスーパーは休業や時間帯制限での営業、営業をしても極端な品薄など、 これまでの、店に行けば何でも買える、という生活は、今はありません。 街を行き交うのは、食糧や日用品確保のために大きなリュックや手提げを持った人たちです。「自宅難民」という言葉も出てきたほどです。

そんな中、「ネット難民」だった私が街中で見つけたお店をレポートします。
地震前には気が付かなかった仙台人の不屈の精神が垣間見えました。

3月11日(金)の震災後、被災地ではガスや電気、水道などと共に、電話やインターネット接続などの通信系インフラも遮断されました。これまで日本では、震災があってもライフラインは3日我慢すれば復旧すると言われてきましたが、今回の東日本巨大地震では、そんな常識も覆され、仙台駅から4kmほどの長町地区でも、電気復旧に5日、水道復旧に8日、ガス・電話・インターネットに至っては9日経った3/20現在もまだ復旧していません。

自宅倒壊は免れたものの、日頃ネットに依存して仕事をしている筆者は、この遮断には正直参ったと思っていた最中、仙台市中心部でネットを無料開放しているお店を見つけました。通常はwebサイト制作やクーポン発行などを行っているCocode(ココデ:仙台市青葉区広瀬通り)が、パソコン5台をネットに繋げて無料で使わせてくれるのです。

ネット開放スペースCocode

近隣で営業しているお店の情報や、原発事故に絡んで各地の放射能数値などをプリントアウトして誰でも見られるようにしてくれたり、携帯電話の充電や、パソコンからプリンターへの出力、コーヒーのサービスまで無料にし、市民に提供しています。電気とネットが復旧した時点で社員から「自分たちが今できることをしたい」という声が上りこのようなサービスを始めた、と営業の佐藤史也さんは言います。毎日メールとネットの情報で仕事をしてきた筆者は、ただただ有り難く、何度もCocodeに通って仕事をさせてもらいました。

Cocodeの佐藤史也さん

このように、仙台市内ではできる限りの営業をしているお店があちらこちらに見られます。市中心部の一番町商店街では、17日から農業生産者による直売市場「マルシェ・ジャポン センダイ」が再開。スーパーやコンビニが休業や極端な品薄で、自宅に留まることができた市民でも容易には食糧が手に入りにくいこともあり、市場には大勢の人が詰めかけました。誘導や販売には、多くのボランティアが参加し、商店街には活気があふれました。

一番町商店街で開催された青空市場「マルシェ・ジャポン センダイ」

ボランティアによって運営されている青空市場「マルシェ・ジャポン センダイ」

他にも、冷え込む毎日を着の身着のままで過ごす市民に向けて在庫の洋服や毛布を店頭で売る店、都市ガスの復旧の目処が立たない中で手持ちのプロパンガスで温かいご飯を作って提供するお店、トラックの荷台をお店代わりに営業するお店などが日に日に増えています。

洋服や毛布を店頭販売する店

こうしたお店を見ると、現実的な復興の兆しと共に、こうして頑張っている人がいるのだから自分も頑張ろう!という元気や希望が芽生えてくるのを感じます。

日本人はまだ大丈夫、東北人は必ずまた立ち上がる!そんな思いにさせてくれるのです。

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