次世代のための日本を創るために

未来に向かう君たちへ

岩手県久慈地域 スクールギャラリーツアープロジェクト

子どもは本来、未来に向かう存在

しかし久慈青年会議所のメンバーは久慈地域出身とはいえ、多くが30代の最も仕事に忙しい世代の人たちばかりだ。全員がいわゆる手弁当で半年ごとに美術品を小学校に運び、多い時は200人規模のワークショップを開催するのは一仕事だが、そこには地域の次世代を担う子どもたちを育てたいというメンバーの思いがあるようだ。

「外からの刺激を受けることで、子どもたちの感じる心を広げる、自由な気持ちでいろんなものを発見し、チャレンジする心が育っていけばと思います。実際に、毎回のワークショップでは、熊谷先生ならではの自由な授業を通じて、子どもたちにも何かしら新しい発見があるように感じます。」と青年会議所メンバーたちは語った。

平山小学校 菊池校長

 今回のプロジェクトについて、平山小学校の菊池博文校長にも話を伺った。
「震災前から私たちは子どもたちに夢を持ちましょうという話を良くしていました。しかし3.11以降、久慈市内は隣の野田村ほどには大きな被害がなかったものの、震災からの復旧復興が久慈地域全体の重要テーマとなりました。では学校の現場で子どもたちに何をしたらよいかを考えた時に、改めて『未来に夢を持つ』ことがとても大事だと思いました。夢を持つキッカケづくりは、教師が語るだけでは不十分で、地域外の一流の人と接する、刺激をもらうことがとても大切です。3月11日以降、著名なスポーツ選手や音楽家をお招きして話をしてもらってきましたが、今回のスクールギャラリープロジェクトもその一環として、とても良い試みだなと思いました。」

今回のプロジェクトは震災前からスタートしたが、結果的に子どもたちの心のケアという意味合いもあったのですか?そんな問いに、校長先生は印象的な言葉を返した。

「表情からは読み取れなくとも、夜眠れないなどのストレスを抱えている子どもたちも多いようです。ですから心のケアはもちろん大事ですが、子どもたちには未来に目をむけさせませんと。子どもというのは“元々、未来に向かう存在”ですから。」と。 

青年会議所のメンバーの一人も、子どもたちの様子を見ながら、こうつぶやいた。
「これからは、被災地復旧ではなく、未来に向けた復興をしていきたい」。
私たち大人はたくさんの過去を経験しており、それが故に過去にとらわれてしまう。
失われたものを再構築するためにも、未来にいつも目を向けて行こう、そんなエネルギーを子どもたちからもらったワークショップだった。(2011年12月)

 スクールギャラリーツアープロジェクトに関するお問い合わせ
社団法人久慈青年会議所
http://www.kuji-jc.com/
Tel. 0194-53-4671
Fax. 0194-52-0689

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