CSRフラッシュ

仙台市「企業とボランティアの協働フォーラム」東北で生きる~企業の現場から見た東日本大震災

震災当事者の目線で継続する復興への取り組み、CSR活動 

2. “人々の心に活力を” 企業理念の実践が独自支援につながる

スターバックスコーヒージャパン株式会社

一杯のコーヒーから

衣食住が満足に整わない災害下で、嗜好性の高いコーヒーは必需品ではないかもしれない。けれども全てを一瞬にして奪われた人たちにとって、一杯の温かいコーヒーが、身体に、心にどれ程しみる事だろう。スターバックスの理念は「人々の心を豊かで活力あるものにする」事。スターバックスが実践する支援活動は、正に一杯のコーヒーで人々に復興への活力を届ける取組みだ。

「道のカフェ」でコミュニティ再生

震災後、スターバックスが取り組むのが復興支援プロジェクト「道のカフェ」だ。時間が経つにつれ、被災地で問題になっているのがコミュニティの崩壊。仮設住宅では知り合いが近くに居ない、他地区への引越しや仕事が変わった事で友人・知人とも離れ離れ・・・など、住む所はあっても人との繋がりが断絶され、精神的に落ち込んでいく被災者が増えている。

スターバックスがキヤノンや松下政経塾と連携する復興支援プロジェクト「道のカフェ」は、スターバックスが仮設住宅に出向き、オープンスペースにカフェ空間を創るイベントだ。住民たちはお喋りしながらコーヒーを楽しむだけでなく、美味しいコーヒーの淹れ方を学ぶこともできる。しかし、「道のカフェ」プロジェクトの真の狙いは「コミュニティの再生」だとディストリクトマネージャーの岩渕貴春さんは言う。

「道のカフェ」プロジェクトは、企画段階から具体的なイベント内容を地域の人たちと一緒に考え、設営や運営も地域とスターバックスのスタッフが協働で行っている。さらにイベントだけで終了せず、スタッフが仮設住宅での様子を店舗に持ち帰り、来店客に被災地の現状を報告する。地域住民とスタッフが繋がり、住民同士、参加者同士が繋がり、被災地と店舗のお客様が繋がる循環を目指している。短い時間でもカフェを楽しむことで心を癒し、人と人の間に新たな絆を創る。復興への長い道のりだからこそ、何気ない時間が人々の心に毎日の活力を与える、それもまた大切な復興支援だ。

◎「道のカフェ」活動ホームページはコチラ。

http://www.michinocafe.com/
コミュニティの再生”への貢献を目指す「道のカフェ」プロジェクトは、企画から設置・運営まで“地域の人たちとの協働”がキーワード。

震災遺児の高等教育を支援する「ハミングバードプログラム」

厚生労働省の調査によると、東日本大震災による震災遺児と孤児は昨年末時点で1,698人にものぼる。震災のあの日、多くの子どもたちが絶望の淵へ追いやられた。震災から1年後の2012年3月、スターバックスは全国の店長全員で被災地を訪れた。全国の店舗に来てくださるお客様の中には、遠く離れた東北の為に何かしたいと思っている方たちがたくさんいる。その思いを届ける事はできないか。店長たちの話し合いを契機に、スターバックスが出会ったのが「みちのく未来基金」だった。

震災遺児のための高等教育機関(大学や専門学校)進学支援プログラム「みちのく未来基金」はカゴメ(株)、カルビー(株)、ロート製薬(株)が協力して震災後いち早くスタートした。入学金や授業料など高等教育を受けるのに必要な資金を、進学を目の前に控える高校生から震災当時0歳だった乳幼児まで全ての遺児を対象に、長期に亘り支援を続けるプログラムだ。

早速にスターバックスは2012年9月からの2か月間、「みちのく未来基金」プログラムに寄付できるプリペイドカード「スターバックス カード ハミングバード」を全国店舗で発行した。カード発行の際にお客様から100円を寄付金として預かり、このカードでお客様が支払う金額の1%をスターバックスが「みちのく未来基金」に寄付する仕組みだ。結果として年末までの対象期間で合計19,426,6 00円が寄付された。長期的な資金支援は、大企業にも負担が大きい。しかし、こうした顧客と一体となった支援ならばステークホルダー等からの理解も得られやすく、また資金的にも続けやすいだろう。ここにも本業を軸とした支援の形を見る事ができた。

◎「震災復興支援スターバックス カード プログラム」ホームページ

http://www.starbucks.co.jp/tohoku/
スターバックス カード ハミングバードプログラムは、お客様からの寄付とスターバックスからの寄付を合わせて被災した子どもたちの為に役立てられる。

トップへ
TOPへ戻る