« CSRマガジントップへ
CSRフラッシュ
18万人を越える来場者数!エコプロダクツ2009 レポート

20万人ではまだまだ足りない。

環境エネルギー革命に 時間の余裕はありません。

東京大学生産技術研究所 山本良一教授

直面する2つの危機

環境危機とリーマンショック以降の経済危機。2つの危機を克服する政策として“グリーンリカバリー”“グリーンニューディール”“グリーンGrowth”など環境ビジネスによる経済成長戦略が世界で叫ばれています。強調したいことは、環境危機は既に目に見えているということ。キリマンジェロの山の雪や北極海の氷の急激な減少など、我々科学者をも震撼させる出来事が現実に進行しています。今年に入って世界70の科学アカデミーが(海が炭酸ガスを吸収することで)20年後には海洋生態系に致命的な影響を与えると共同声明を発表、世界の首脳が気温上昇2℃の抑制に合意したのも、地球環境問題が絶体絶命の瀬戸際に追い込まれているという認識が世界に広がっているからです。
しかし、科学者と一般の国民や政府の認識には未だ大きなギャップがあります。こうした展示会を通じてそのギャップを埋めていかなければなりません。


低炭素革命を全力疾走で実現するために

10年かけてエコプロダクツ展に20万人近い人が来場するようになりましたが、まだまだ足りません。われわれが向かうべき先はゼロカーボンエコノミーです。日本の優れた民生技術、エコプロダクツは環境エネルギー革命を実現すると同時に、経済成長に貢献する大きな強みでもあります。確かに低炭素革命には莫大な費用が必要であり、また物を使い捨てにしないなど、享受してきた便利さを我慢しなければならないかもしれない。しかし何もしなければ、我々は温暖化地獄に落ちていくしかありません。近い将来に、国内から数百万人、海外から数万人がエコプロダクツ展に来場するぐらいでなければ。今年のテーマのとおり、社会の全ての力を結集して低炭素革命、環境エネルギー革命を全力疾走で実現しなければ、われわれに時間的余裕はほとんどありません。

(2009年12月10日(木)記者会見内容をまとめています。文責は当サイト編集部にあります)