日本で1万人の難民サポーターをめざす
「10,000シェルタープロジェクト」オープニングイベント開催 |
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2010年4月2日 、アーバンドックららぽーと豊洲にて、国連UNHCR協会が展開する「10,000シェルタープロジェクト」オープニングイベントが開催された。タイの難民キャンプにも訪れたゲストを招いてのトークイベントを中心に、イベントの様子をレポートする。
トークイベント:知ることから始まる難民支援宮崎 京(みやざきみやこ)氏[モデル、2003年ミス・ユニバース世界大会入賞]ミス・ユニバースに選ばれたことで何か社会貢献活動をしたいと考えた時に、偶然に国連UNHCR協会を知りました。2004年のタイ難民キャンプ訪問では、住まいも含めて生活環境が想像以上に整っていないことに衝撃を受けました。横井 啓之(よこいひろゆき)氏 [株式会社ABCクッキングスタジオ CEO]当社は“世界中に笑顔の食卓を”という企業理念に基づき、料理教室One Day Cookingの売り上げの一部を国連UNHCRに寄付させていただいています。 難民キャンプには1992年に青年会議所の活動を通じて訪れる機会があり、時間を経て2005年に再度タイの難民キャンプに行きました。初めての難民キャンプでは、やはりテントもなく、この状況は本当に現実なのかとびっくりしましたね。 国連UHNCR協会 高嶋由美子事務局長到着する難民の皆さんが3-4人でしたらすぐにテントを立てるという話になりますが、実際には千人単位の方々が一度にキャンプに到着します。 まずは命を守る家が必要ですが、女性と男性を分けるべきなのか、家族をどうするか、計画を立てなければなりませんし、実際の現場では2-3日の時間がかかるのが現状です。安達 覚(あだちさとる)氏[三井不動産株式会社 商業施設本部 本部長補佐]当社は全国でショッピングセンターの開発を行うなか、独自に「エコハロー!」プロジェクトを展開し、その一環で世界各国の難民の方に衣料を送る活動を数年前から行っています。今回の「10,000シェルタープロジェクト」では、グループ会社であるららぽーとマネジメント株式会社が保有する商業施設のスペースを国連UNHCR協会に2010年度内に約400日ご提供します。施設を訪れる皆さんが難民支援とは何かを知るきっかけになればと考えています。 宮崎氏:現地のキャンプでは、女性は家事に追われるので“やること”がありますが、男性は仕事もなく不安と諦めからとても無気力だったのも印象的でした。一方で子供たちは難民キャンプの中にある小学校で一生懸命に勉強している。難民支援の中で教育というテーマもとても重要だと感じました。 自分に出来ることは“伝える”こと、そう考えて難民キャンプでの経験を友人同士の会話でも話すほか、仲間とのファッションや音楽イベントの収益の一部を寄付しています。難民支援を特別ではなく、楽しみながらやりたいと思っています。 横井氏:1992年に始めてキャンプを訪れた時には、5人の仲間と半ば命がけでたくさんの物資をトラックで運びました。さぞ喜んでもらえると思いきや、難民の人たちがニコリともせずに物資を毟(むし)りとるように手にする。最初はショックで、何だこの人たちはと思いましたが、2-3日して、笑う余裕さえないのだと分かってきました。 日本にいる時には、難民はとても遠い存在でした。しかしキャンプ最後の日、自分たち5人の目の前に何万人もの難民の人たちがいる、自分たち5名が特別で難民の人たちが普通、もしかしたら自分も難民の側だったかもしれないと。そう思った瞬間に鳥肌が立つような恐怖を覚えました。 それまで愛国心を自覚したことなどなかったのに、本当に日本に生まれたことを感謝して、帰国してからも今ある環境のなかで頑張ろうと思えた、難民キャンプを訪れたことは(支援ではなく)本当に自分のためになった経験でした。 高嶋氏:難民支援を通じて感じるのは“支援する/される”ではなく、本当に互いに得るものがあるということです。難民の人たちは私たちと同じ普通の人たちばかり、紛争がなければ国の大臣、大きなスーパーマーケットの店主、普通の奥様、なかには犯罪者もいます。 ある日突然に自分が持っていたもの全てを失ったら自分ならどうするだろう。もう生きていたくないと思うのではないか。 でも難民の皆さんはそうではない、本当に頑張ろうとされている。 モノがあるから幸せではない、(私たちにはなくて)難民の人たちが持っているものがたくさんある、その事を「10,000シェルタープロジェクト」を通じて、多くの皆さんにも是非知っていただけたらと思います。
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