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CSRフラッシュ
今年も見てきました
日本最大級の環境展示会 エコプロダクツ 2010 が開催



「エコプロダクツ 2010」が今年も盛大に開催された。12月9 日[木]~11日[土]の3日間に会場の東京国際展示場(東京ビッグサイト)を訪れた入場者数は183,140人(主催者発表)。記者が訪ねた土曜日はビジネスパーソンよりも小学生とその家族連れが目立った。今年の会場の模様を報告したい。


より身近で、説得力のある展示物が主流に

今年のテーマは、「グリーン×クリーン革命! いのちをつなぐ力を世界へ」。
開催12 年目を迎え、より積極的に地球環境と折り合いをつける問題解決型の展示物 が各所で見られた。いかにも環境はお荷物的な印象の展示物が影を潜め、企業の取 り組みが成熟期に向かっていることを示している。

その代表例がかつて本誌「国内企業最前線」でも取り上げたコクヨグループの「エコバツ」商品ゼロの取り組みだ。コクヨの展示ブースでは、「コクヨは2008 年総合カタロ グからエコバツマークを表示。14,080 品番に付いていたエコバツマークを3年間でゼロにしました」の文字とともに年度ごとの進捗を示すパイチャートが並び、ついにゼロになったとの表示が記されていた。ブースを訪れただれもにわかる単純明快な表示にあらためて好感をもった。
br /> 展展示説明を行っていた社員の1人に感想を聞くと「初めはどこまで本気なのかみんな半信半疑でした。本当にできてだれもがやったーという気持ちです」と答えてくれた。1つの目標が経営陣と社員をつなぎ、結果としてお客様にもアピールするという好例で はないだろうか。


コクヨグループ
14,080品番に付いていたエコバツマークを3年間でゼロに


エコバツゼロまでの進捗を示すコクヨグループのブース


◎国内企業最前線「『エコバツ』商品ゼロに取り組むコクヨグループの活動から」はコチラ→


やればできる、やらねばならぬ(1)

持続可能な社会に向けてわが社はなにをすべきか。自動車産業のように目標が明確な産業もあるが、金融のようにいま1つ見えてこない産業もある。そうした中で、新しい試みが新鮮な“山椒は 小粒でぴりりと辛い”企業の健闘も目立った。いくつかご紹介しよう。

株式会社風憩セコロ [本社:埼玉県行田市]
昼の太陽エネルギーを、夜のソーラー照明灯に
公園や歩道などの照明は設備の増設とともに電力などのランニングコストの負担が難問。風憩セコロが開発した照明灯は昼の太陽光をエネルギーにして夜間の照明器具を点灯させるというもの。もちろんCO2の排出量も電気代もゼロ。電灯には超寿命のLEDを採用。公共施設などへ の採用が進んでいる。

←風憩セコロのブース。残念ながら屋内のため太陽光による照明は見られなかったが。

株式会社有紀 [本社:福島県会津若松市]
メンテナンスを大幅に軽減、電気のいらない安全な自動ドア
数年前、自動ドアにはさまれるという事故が相次いだ。有紀は、“安全・安心”を目標に、“環境や高齢化”を視野に入れて、だれもにやさしい自動ドアを実現した。床面に埋め込んだ踏み板 に体重を掛けるだけでドアが開く仕組みだ。社内テストでは25万回の開閉テストに耐えたとい う。

←有紀のブースでは橋本保社長が率先して説明を。 シンプルなブースにもかかわらず熱意が伝わった。

株式会社ハーフェレ ジャパン [ショールームは新宿区西新宿]
水を使わない 未来型エコトイレ
トイレで流す水は大きな水量を占める。ハーフェレ ジャパンが販売するスイス製の男性トイレは、便器内に組み込まれた交換可能なカートリッジ(特許取得済み)により、水や化学薬品を一切使わずに尿をスムーズに下水道に流す。気になる臭気は天然の有用微生物の働きを利用するアクティブ・クリーナーを週に一度くらいの間隔で散布する。

水を流さなくて大丈夫かという向きには新宿のショールームに訪ねてほしい。 欧州では名のある企業も採用している。