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今さら聞けない
CSRの素朴な疑問


Q6. カーシェアリングって何ですか?


レンタカーとの違い


カーシェアアリング(car sharing)は自動車を共同利用するサービス/システム。レンタカーが1台の自動車を不特定多数の利用者で使用するのに対して、カーシェアリングは決まった複数の会員(10〜30名)間で共同利用する点が大きな特徴である。

[レンタカーとの主な違い]
●会員制:ある地域内であらかじめ登録した会員間で1台の自動車を共同利用する。
●利用時間:(一般にレンタカーが最低6時間からの貸し出しに対して、15〜30分など短時間でも利用できる。
●貸し出し・返却が便利:インターネットで予約・利用状況を管理できるため、自動車を管理する窓口を介さず、無人で貸し出し・返却が可能となる。
また会員が住むマンションや近隣駅周辺の駐車場など、便利な貸し出し・返却場所を設定しやすい。
(なお、カーシェアリングで利用する自動車は、法令上、レンタカーと同じ扱いで、道路運送法、道路運送車両法、レンタカーに関する基本通達、車庫法等に準拠する)

レンタカーが比較的遠距離や単発的なイベント時の利用イメージがあるのに対して、カーシェアリングは会員同士が近隣への買い物など日常的に短時間で利用しやすいシステムといえる。


カーシェアリングの始まりと日本の現状


1980年代後半にスイスの学生の間で始まり、世界の利用人口(2006年末)は世界18カ国、600都市で、34万8千人、車両数11,700台に達する(注)。日本における本格的なカーシェアリングサービスは近年始まったばかりで、2009年1月現在、会員数6,396人、車両ステーション数357カ所、車両台数563台(注)だが、経済不況を背景に自動車保有に関わる経費削減を求める個人を中心に急速に利用者が増加傾向にある。

注: 交通エコロジー・モビリテイ財団、Susan A. Shaheen & Adam P. Cohen 'WORLDWIDE CARSHARING GROWTH: AN INTERNATIONAL COMPARSON'(2006)データより。


カーシェアリングによる環境負荷の低減


個人や法人での自動車保有台数が減少するため、自動車製造時に要するエネルギーや排出される二酸化炭素を削減するとともに、カーシェアリングサービスでは低燃費のエコカーや電気自動車が提供されるため、燃料消費量が減少するメリットが挙げられる。

また、米国のある調査では、自動車保有者がカーシェアリングへ移行することで---利用時間や利用距離ごとに課金されるため---公共の交通機関や自転車利用を併用するなど、より効率的な自動車利用を心がけることとなり、利用者の半数程度が以前よりも自動車の利用頻度が減少したと報告されている(カーシェアリング普及推進協議会より)。このようにカーシェアリングが利用者の意識変化を促すこと、さらに(保有台数の減少により)駐車スペースを削減することから、間接的に環境負荷の低減につながる側面も大きい。 (2010年1月)


「国内最前線:オリックス自動車(株) カーシェアリング事業」記事はコチラ→