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家庭でCO2削減 目標達成者に褒賞金も
ユニークな取り組みで注目を集めるファンケルグループ

Q: ファンケルといえば化粧品や健康食品の会社として知られますが、グループの概要と企業としてのモットーについてお聞かせください。

いくつもの「不」を解消した
人気商品
「マイルドクレンジングオイル」
ファンケルは、1980年に「無添加」というオリジナリティの高い化粧品の通信販売からスタートし、その後、健康食品や青汁、発芽米などへと業容を広げ、現在ではそれら製品の研究開発から製造、そして販売までの一貫体制を構築しています。創業時から世の中の「不」の解消をめざし、不安を安心に、不満を満足に、不便を便利に変えていこうと努めてきました。最近ではそれに加えて「もっと何かできるはず」を合言葉に、常にお客さまの視点に立ち、「お客さまに喜んでいただくこと」をすべての基準としています。

Q: ファンケルグループが環境問題に取り組むようになった経緯はどのようなものですか。
ファンケルが扱ってきた化粧品や健康食品は、肌につけるものや口に入れるものであり、品質や安全性の確保にはこれまでもかなりのエネルギーを注いできました。また、2002年にはISO14001の認証を取得し、工場などでの屋上緑化やラインの効率化などに取り組んできました。ただ、本社部門やグループ各社を巻き込んだ取り組みとなるとやや遅れを見せていたというのが正直なところです。
2009年4月に創業30周年を迎えるにあたり、環境活動「ファンケルECOプラン」を提唱。工場だけでなく、オフィスや商品・サービス部門、研究所を巻き込んだ新たな取り組みをスタートさせました。

研究所屋上緑化と研究所ソーラーパネル


Q: 2009年版『ファンケルレポート』を読むと、CO2削減トン数やオフィスの紙ごみの回収トン数、社員食堂の食用廃油の回収量などが具体的に表示されていますね。
「ファンケルECOプラン」の初年度は、オフィスのCO2の排出量で前期比15%減という目標を掲げました。エアコン設定温度の調整や使用時間の短縮、蛍光灯の間引き、ノー残業デーの徹底などに取り組んだ結果、目標値を上回る前期比17%減、CO2換算で289トンを削減しました。また、工場では前期比5%減という目標を掲げ、石油・電気・ガス・灯油などの燃料の削減や原料調達の見直しに取り組んだ結果、目標値の5%減を上回る8%減を達成、CO2換算で710トンを削減しました。
オフィスのゴミについては9種類に細かく分別して処理しています。なかでもコピー用紙、雑誌、新聞紙、チラシ、パンフレット、厚紙などの紙類は、グループ会社の(株)ファンケルスマイルによって回収され、2008年度は約99トンの紙ごみが製紙会社に再生紙の原材料として販売されました。また、社内のトイレでは回収した原料からつくられたトイレットペーパーを利用しています。このほか、2008年9月より社員食堂と従業員の家庭から出る食用廃油を回収し、バイオディーゼル燃料としてリサイクルしてい ます。
節電のために蛍光灯の間引きを行う 紙ごみの回収に協力した
特別子会社(株)ファンケルスマイルの仲間たち