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企業特集「発行会社が個人向け株式投資啓蒙サイトを立ち上げ」
知識を広げ、 投資をもっと楽しく。
株式会社アコーディア・ゴルフ IR室 シニアマネジャー
野瀬 健一朗


成長戦略が見えないといわれる日本。元気な企業がいないわけではない。ゴルフ場の運営会社である㈱アコーディア・ゴルフもその1つ。日本全国に129のゴルフ場を保有し、業績・株価とも順調である。そんなアコーディア・ゴルフがこのほど自社のホームページに投資啓蒙の「個人投資家向けサイト」をオープンした。同社のIR担当者にそのねらいを聞いた。

IR室 シニアマネジャー
野瀬 健一朗氏
Q:「個人投資家のみなさまへ」と名づけられた投資家サイトを立ち上げられたそうですね。上場企業では初の試みだと思いますが、どのような理由からでしょうか。
野瀬 アコーディア・ゴルフは2006年11月に東証一部に上場しました。上場から4年目を迎えたわけですが、ゴルフ場の運営会社ということもあって、個人投資家の関心は高く、IR(インベスター・リレーションズの略=財務広報の意味)室にはひんぱんにお問い合わせをいただきます。IR室の基本スタンスとしては、お問い合わせにできるだけ素早く丁寧にお答えすることをモットーとしてきました。サービス業のIR窓口として、株主・投資家の皆様に対してもIR室の大切なお客様として、通常のお客様窓口に近い対応を心がけたものです。

ただ、IR窓口としてのこれまでの経験からいえば、これから株主様になろうとされている方だけでなく、すでに当社の株主様になられている皆様でも、当社のことをあまりご存知なかったり、株式投資の基本的な知識をお持ちでないという方が多くいらっしゃると感じていました。

せっかく当社の株式をお持ちいただくのであれば、当社をご理解くださるのはもちろん、株式投資の仕組みや株式投資の妙味についても知っていただき、アコーディア・ゴルフと末長くお付きあいいただきたいというのが、このサイト立ち上げの思いでした。


Q:立ち上げられたサイトはどのようなコンテンツからなっていますか。また、コンテンツづくりにおける苦労や出来あがったものに対する評価などもお聞かせください。
野瀬 当社のWEBサイトを開きますと、左側の下ほどに「個人投資家のみなさまへ」のバナーが見えます。そこをクリックするとトップページの画面が登場します。

内容は大きく2つに分かれています。 1つは「もっとアコーディア・ゴルフを知っていただくために」、もう1つは「学ぼう 株式投資」です。ボリュームとして「学ぼう 株式投資」の方が全体の7割を占めています。その中身は①株式の基礎知識(配当・資本・債権・負債など)の説明、②証券取引のしくみ(証券取引所の役割・日本の上場企業・証券会社など)へと続きます。そして③投資先の選定(貸借対照表・損益計算書の見方)や④投資指標の見方、へとつながり、⑤株主になったら行えること、で終わります。


実際にサイトをご覧になっていただくのが一番でしょう。苦労をした点は、通常の株式の指南本やサイトが「儲ける・優待・配当」などの直接的な利益にやや偏重する傾向があったので、基本的な情報そのものを見直し、株式市場の成り立ちなどについてもしっかり触れるようにしたことでしょうか。各ページには読んで欲しい「ポイント」を設けたほか、「知識」として少し専門的な情報も付け加えました。

文章だけだとなかなか読んでいただけないので、全ページに書き下ろしのイラストを入れ、親しみやすい画面になるよう心がけました。

構想そのものは前々から持っていましたが、実際にプロジェクトを立ち上げてから3カ月が経過しました。もっとも苦労したのは、制作に協力してもらったスタッフの多くも株式投資に対する知識が少なく、なかなか形にならなかったことでしょうか(笑)。