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夢=日本国株式会社の新事業開発部になること


Q:皆さんの活動を伺うと、全く本業とは関係ない分野のお仕事ばかりで驚きます。

登内: “シタゾコ”を会社として設立する前、ちょうど7月7日の七夕に、メンバー全員が1泊2日で集まり、徹底的にこれからを話し合う機会がありました。

当時はまだ、本業もあるし、新しい仕事もメインになるかどうか分からない、どうしても新しいビジネスを見つけるといっても中途半端な動きになりがちでした。

そこで私が「会社にある機械を見るな」と。本業である製造業にかかわる何百万円もする機械が働かないで置いてあるのを見ると、どうしてもこの機械を動かしたい、今までの本業をやりたいと思ってしまいます。けれども、製造の仕事はアジアにとられ、国内の下請企業の強みを発揮できる仕事がほとんどないのが現実です。

異業種同士の経営者が集まってビジネスをやってうまくいかない理由は、片手間でやるからです。絶対にそんな風に“シタゾコ”を失敗させてはならないと思っていました。

合宿では10時間にわたって「何のために会社を興すのか」「どんな未来を創りたいのか」を話し合いました。メンバーから導き出されたのが「自分たちのために商品を製造、販売しても売れない」、だからこそ「人々を感動させ、幸せにすること!」をしなければならないという答えでした。
これが“シタゾコ”の“ものさし(理念)”となり、会社設立以来、この理念に当てはまることは何でもやる、理念に合致しなければ儲かってもやらない方針でやってきました。

お蕎麦屋さんの危機を救った“シタゾコ”ネットワーク http://sokozikara.com/news09.html
2009年はそばが実をつける秋に台風が直撃した2009年、玄そば(から付きのそばの実)が不足して年越しそばの材料が足りなくなってしまった前橋市の蕎麦屋さんのために、今坂さんを中心とする“シタゾコ”メンバーが全国の知人や“シタゾコ”サポーターに緊急連絡、60を越す情報が寄せられ、12月には無事に農家から85袋を確保。
“援農”をテーマに、まさしく「下請の底力」が発揮された。

Q:苦しい状況にある製造業の皆さんが、内向きでなく、人を感動させる仕事でなければ結果を出せないと答えを出したところに、日本を支えてきた強さを感じます。
登内: 感動させることは突拍子もないことではなくて、普通の方が困っている小さなことを解決することです。お金じゃないというとキレイごとだといわれますけれども、ある意味では開き直って創った会社ですから、やりたいことは全部やると。

梅澤: 今はいろんな所で情報収集を続けていますが、“人の役に立ちたい”という思いの延長線上で、社会起業家というコンセプトも強く意識するようになっています。

登内: もちろん固定費もかかる、今でもメンバーには本業での借金もあります。
“シタゾコ”メンバーだけでなく、全国どの地域の中小企業も1年前から状況がどれだけ改善したかというと、ほとんど変わらないと思います。

私たち6名全員は桐生市のPR大使にも選ばれているのですが、“シタゾコ”で成果を出して、周囲の他の企業も参加したいと思ってくださるようになれば、自分たちのやっていることが、意味のある活動になると思っています。
設立から1年に満たないですが、たくさんの種が見つかって、メンバーとともに本気で取り組めば必ず成功するという手ごたえを感じています。
2010年3月取材


サポーターからのアイデア募集中!古い着物のハギレを活用したい
桐生市は昔から繊維や紙産業が有名。自動車関連産業も多いことから、自動車専用の高級シートも製造されているが、車種の変更が頻繁なことから、毎年大量の廃棄が行われている。また織物メーカーも多く、古い着物や編んだ靴下のハギレも大量に発生している。世界チャンピオンがつけるラジコン用歯車を製造する会社を経営する小林さんの実家は織物屋。これらいずれも質の良いハギレを何とか活用できないかと現在アタマを悩ませている真っ最中。コレはと言うアイデアがあれば、ぜひご一報ください。

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