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Home > 国内企業最前線 > 株式会社NTTドコモプロダクト部 加賀谷 穂、有満 妃登美

健康を応援する機能が満載

Q:販売台数の伸びは、「らくらくホン」シリーズに対する利用者の支持を示しています。評判がよいのはどのような点ですか。
有満: 健康系機能の評判がよいですね。
よくご利用いただいているものに歩数計があります。カウントした歩数や歩いた距離、消費カロリーや脂肪燃焼量も確認できるものです。携帯電話の傾きを検出し、どのような姿勢でもより正確に歩数を測定できる3軸加速度センサーも好評です。
また、㈱タニタ製の体組成計・血圧計で測定した体重や体脂肪率、内臓脂肪レベルなどは赤外線を利用してデータ蓄積できるようになりました。

こうして集められたデータは、健康管理アプリ「健康生活日記」を使えば、簡単にグラフや一覧表にできます。

iアプリにはお薬を管理したり、お薬の情報を検索できる「お薬辞典+手帳」もあります。こちらは「らくらくホン7」で初めて実現しました。


[←左]お薬辞典+手帳

お薬を管理したり、お薬の使用日時を
お知らせしたり、お薬の情報を検索し
たりできます。
お健康生活日記[右→]
血圧計や体組成計で
測定したデータを管理できます。


Q:視覚に障害のある方にはどのような機能が役立っていますか。

有満:音声入力という機能があります。たとえば「地図アプリfor らくらくホン」でナビ(道案内)の機能を使う場合、「ここからここに行きたい」と話しかけていただくと簡単に入力できて、地図アプリ機能を利用することができます。
また、「取扱説明書」は点字用もご用意しています。

最新の「らくらくホン7」には携帯電話の中に「使いかたガイド」という機能を入れました。「使いかたガイド」では携帯電話の操作方法を検索したり、そのまま機能の利用ができたりします。音声読上げ機能との併用で操作方法を音声で聞くことができます。

この音声読上げの機能が大切で、機能やサービス名称、さらに各操作方法等を音声読上げで説明をします。視覚障害者の方々によっては、この読み上げ速度もご利用するにあたっては重要で6段階の速度調節が可能です。
また、文字を目で追う場合、同じ読み方の漢字ってありますよね。たとえば、「あかし」の場合、「明石」なのか「証」なのか、それぞれの文字に対して、詳細に読み上げて判断を仰ぎ、選択で確定することができます。このような細かいご要望を少しずつ改善していくことでお客様の信頼をいただいている部分はあります。


利用者の声に耳を澄ます

Q:新機種の開発にあたっては、どのような形で利用者の声を吸い上げているのでしょうか。
加賀谷:ドコモショップでのお客様対応をはじめお客様の声を集めるシステムがあります。クレーム対応がヒントになる場合もあります。

新しい機種が発売されてから数カ月しますと、その利用者を集めて「グループインタビュー」も行われます。その際、特に確認したい事項があればインタビュアの方に特別にお願いすることもあります。また、「らくらくホン」シリーズの多くは富士通と開発しており、富士通独自の購入者アンケートを参考にさせていただく場合もあります。視覚障害者が抱える課題などについては、専門家のご意見を拝聴する機会を設けています。


世代の差を超えて

Q:利用者から思いがけない声が出されることもあるのでしょうね。
加賀谷:デザインを気にかけるお客様はかなりいらっしゃいます。「らくらくホン」という名前が付くからといって、いかにもお年寄り臭いデザインは嫌だというお声は強いですね。

たとえば現在使っているピンクは落ち着いたピンクですが、「若い人が持っている明るいピンクがほしい」といった声がストレートに寄せられたりします。お年寄り臭さはできるだけ排除していかないといけないと思っています。デザイン面では年齢的な差をつけず、ただし使い勝手だけはいろいろ配慮する必要がありそうです。そうした意味からも「らくらくホン7」の完成度は高いと自負しています。

有満:私の両親は団塊の世代です。開発に当たっては身近な父親や母親を連想しつつ、2人に使ってもらえる「らくらくホン」シリーズをと思い描いています(笑)。


Q:競争の激しい業態だけに他社の追い上げも厳しいのではありませんか。
有満:他社を意識しないわけではありませんが、それよりもお客様を強く意識しています。「らくらくホン」はお客様との二人三脚で一緒につくりあげてきたという自負があります。

新しい機能を使いやすく加えていく一方で、ワンタッチダイヤルの3つのボタンとか十字機能の形状とか、「らくらくホン」の初代から変えていないところもあります。
「らくらくホン」のお客様は複雑な操作を苦手とされている方もいらっしゃるため、次機種以降でも操作方法をできる限り、わかりやすいままに継続したUIを採用しています。そのため、次機種でも引続き、「らくらくホン」シリーズを指名買いしていただいているお客様もいらっしゃいます。もちろん、前機種で使いにくいという声があったものについては次機種で改善・改良を加えるなどの配慮を行っています。

加賀谷:外観などは真似ができても、音を聞こえやすくとか、ボタンを押しやすくとか、読みやすくという基本のノウハウには大きな蓄積があります。これからもお客様の声を大切にしつつ、研鑽を積んでいきます。


Q:お二人は携帯電話や情報通信の未来についてどのような夢をお持ちですか。
有満:「らくらくホン」というと開発もシンプルで単純なものというイメージがあるかもしれません。でも、開発は全くらくらくではありません(笑)。

「らくらくホン6」からは防水に対応しましたが、防水に対応すると隙間を少なくするためにフラットなキーにならざるをえません。それは逆に数字などのキーが押しにくくなることを意味します。防水の課題と押しやすさを両立させるという難しい課題に挑戦し、富士通の開発の努力結果で押しやすさはできる限り、損なわずに防水に対応しました。いまはこうした挑戦の1つひとつが喜びです。

今後も引続き、携帯電話を利用される方々にとって、どういった機能、操作がいいのかをお客様目線で考えつつ、トライしていきたいと考えています。

加賀谷:携帯電話の端末に携わっていますが、NTTドコモ自身は通信の会社なので、基本はコミュニケーションにあると思っています。人と人のよりよいあたたかいコミュニケーションで、人間同士の距離をもっと近づけていくのが夢です。
(2010年8月取材)

NTTドコモ「らくらくホン」シリーズは コチラ↓
http://www.nttdocomo.co.jp/product/
foma/easy_phone/


「らくらくホン7」シリーズは コチラ↓
http://www.nttdocomo.co.jp/product/
foma/easy_phone/f09b/index.html