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識者に聞く

「ヒルサイドエリア」

「竹の海原」


Q: CSR活動においてNGO/NPOとの協働でさえ実践する企業が少ないのが現状です。
小川 たしかに、企業とNGO/NPOは全く異なるスキームで存在し、敵対するケースも少なからずありました。またNGO/NPOの 両方の側において、企業が単純にお金を出すだけでよいという意識が間々あったようにも感じます。しかし、企業にとっても単に寄付するだけでは、本当のスキ ルや能力開発には結びつかない、“一緒に何かを考えながら創るプロセス”が大切なのは、企業も同じです。今回、赤レンガ会場など「ベイサイドエリア」に は、約150団体のNPO/NGO、10,000人以上のボランティアの方が参加する各種のイベントを展開します。「開国博 Y150」は全体が“実験空間”であることを一つのテーマとしていますが、市民プロジェクトのワークショップが個人にとっての実験空間であるように、企業にとっても「開国博 Y150」のようなイベントを通じて市民プロジェクトやNGO/NPOが何をやろうとしているかを知っていただいて一緒に協働するきっかけを見つける、互いの実験空間となると良いと思います。




3日住んだら誰でも浜っこ、横浜の持つ「共生力」


Q:「開国博Y150」の根底にあるコンセプトは共生力だと伺いました。
小川 150年 前に鎖国していた日本が開国し、横浜をはじめとする各地の港に最初の近代化の種が巻かれ、大切に育てあげて本当の意味での日本の開国の原点となった。昔か ら3代続かないと本当の江戸っ子になれないと言いますが、“3日住んだら浜っこ”というほど、横浜は“異なるもの”を受け入れやすい、共生力が強い土地柄 といわれています。「開国博 Y150」では“横浜で育った「7つのたね」”として、“共生力”と、一緒に喜ぶ“共感力”、明日を夢見る“想像力” と、それを実現化する“創造力”、“交流力” “市民力”そして“横浜力”ととらえました。


巨大スペクタクルアート劇団「ラ・マシン」
“アースバルーン「HOME」”


岩井俊二監督 映画「BATON」
数多くのイベントの中には、フランスから日本初上陸となる巨大スペクタクルアート劇団「ラ・マシン」が高さ12mの巨大な“蜘蛛”がイベント会場を期間中の153日間練り歩きます。人から気味悪いと言われる“蜘蛛”も、横浜だったら皆と仲間になって一緒に楽しもうという、そんな横浜の“共生力”を象徴する実験的なイベントでもあるわけなんですよ。
他にも、元宇宙飛行士の向井千秋さんが宇宙から地球を見た時の感激をメッセージに託していただいた“アースバルーン「HOME」”、映画監督の岩井俊二さんが挑戦した実験的なアニメ映画「BATON」など、市民創発プロジェクトはもちろん、さまざまな実験的なイベントを行います。地球と人との思いやりを子供 たちと体験しながら、“自分たちも、明日からこんなことをやってみたらどうかな”と考えるきっかけになると良いと思っています。


小川 巧記(おがわ たくのり)
1954年東京生まれ。横浜市在住。クリエイテイブディレクター。ビッグバン・ハウス代表。広告や博覧会等のイベントを通して、市民・企業・行政を結ぶコミュニケーション・プランニングを行う。

小川氏が協力する「エコ実践塾」(エコに関する知識を楽しく習得できる携帯公式サイト)についてはこちらです。
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