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環境省環境調査研修所の「夏休みこども実験室」レポート
環境のこと、楽しく学ぼう


環境省環境調査研修所は、国や自治体の人たちが全国から集まって地球温暖化・公害・自然保護・廃棄物処理などの環境問題と対策について学ぶところ。いろいろな環境を調べる実験室もあります。今年も夏休み中の小学校5・6年生を対象とした「夏休みこども実験室」を開催。A・B 2つのコースに分かれた16名の生徒と父兄らが体験型学習に参加しました。当日の模様を再現してみましょう。


Aコース 「光と色を分けてみよう」
植物の葉っぱはなぜ緑色なのでしょうか。それは光の見え方が関係しています。 身近な材料を使って、一緒に調べてみました。

実験1 葉っぱから色の成分を取り出そう


1. 環境調査研修所の庭にある植物から 一人4〜5枚ずつの葉っぱを採取する

2. 葉っぱをちぎってビーカーに入れる

3. エタノール(アルコール)を入れて温める
[エタノールを量ってビーカーに] ⇒[アルミホイールでふたをして温める]

4. 液体を容器にうつす[葉っぱの液体を容器に]

5. 薄層クロマトグラフィーで色の成分(色素)を分ける

6. カラムクロマトグラフィーで 色素を分ける

7. 高速液体クロマトグラフィー (分けることも量を測ることもできる装置)でも色素を分ける

8. 葉っぱの中に含まれる色素は 主にカロテン、クロロフィルa、クロロフィルb、ルティンの4種類。でも植物の種類で同じ緑色でも微妙に含まれる色素の量に違いがあることが分かりました


実験2 CD分光器をつくって葉っぱが緑に見えるしくみを調べよう

1. いらなくなったCD-ROMと 黒画用紙を使ってCD分光器をつくる
2. 白熱灯や蛍光灯の光を観察しよう

[完成したCD分光器で光のスペクトルを観察]
光は実はいろいろな光が混ざっています。CD分光器で見ると虹のように見えます

3. 私たちの目に見える色は「赤・緑・青」の光の三原色を、 割合を変えて混ぜることで表すことができます

4. トマトが赤く見えるのはトマトが赤色を出しているわけではありません。 トマトに光が当たると赤色の光だけを反射するので、 私たちの目に赤色の光だけが届いて赤く見えるのです

5. 植物の葉っぱは緑色に見えます。緑色に見えるということは、葉っぱに当たった赤色と青色の光はどこに行ったのでしょうか

6. 植物の細胞には葉緑体という粒があり、葉緑素(クロロフィル)をたくさん含みます。 葉緑素は太陽の光のうち、赤色と青色の光を吸収し、 水と二酸化炭素からでんぷんや酸素をつくります。この仕組みを光合成といいます。 葉緑素は光を集めるアンテナの役目をしています

7. 植物の葉っぱは葉緑素に吸収されなかった緑色の光を反射するので 緑色に見えるのです