東日本大震災から1年

カワイイこけしで東北を支援。

震災から1周年。東北各地で生産されてきた伝統こけしの販売を通じて、東北の雇用を守ろうと、このほど「kokeshi pop ポップでカワイイこけしの世界」と銘打ったイベントがパルコの主催で開催された。東京渋谷のパルコミュージアムでは伝統こけしを見たことのない若者たちが「素朴でかわいい」と買い求める姿があった。4月6日から23日には名古屋パルコでも開催される。

東北各地から集められた伝統こけし

風評被害で観光客が激減 

「伝統こけし」は、東北各地の木地師(木の盆や器を作る職人さん)が湯治客向けに子どもの玩具として作ったのがはじまり。東北6県にまたがり、こけしの姿、形などにより、土湯、弥治郎、遠刈田、鳴子、作並、山形、木地山、南部、津軽、蔵王高湯、肘折の大きく11の体系に分けられている。

3月10日。この日、会場で伝統こけしの絵付け実演販売を行った福島県土湯の陳野原幸紀さんによれば、「土湯の湯治客は震災前の3分の1。18軒あった温泉旅館のうち6軒がつぶれた」と震災後に襲った風評被害のすさまじさを語った。土湯の工人組合に所属する10人は、「みんなで助け合おう!」という全国からの呼びかけに応えて、全国に出向いて伝統こけしの魅力を発信し続けている。

来場者にこけしの顔の描き方を説明する陳野原幸紀さん

こけしを知って、買って、飾って

 <kokeshi pop>の発案者の一人である企画会社ハクションの沼田夏子さんは、「私自身『伝統こけしのデザイン』という本で、初めてこけしの新しい魅力を知ったほど。東北の力になれればと考え、今回の企画になりました」と語る。

パルコとハクションは、こけしを日本のポップ・アイコンと位置づけ、「知って」「買って」「飾って」をとおして様々なこけしの楽しみ方を紹介し、東北の支援にもつなげたいという。

3月2日から12日の期間中、会場では東北各地の伝統こけしの展示と販売が行われたほか、第一線で活躍するクリエイターの方々によるオリジナルの絵付けこけしの展示も行われた。また、こけしで東北を支援するKOKESHIEN!に全国から寄せられた希少なこけしが入札にかけられた。集まった資金はKOKESHIEN!を通じて被災地支援に充てられる予定だ。

「メキシコのお嬢さん」と名付けられたイラストレーター杉浦さやかさんのこけし

 <kokeshi pop>
オフィシャルサイト:http://kokeshipop.haction.co.jp/

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