311東日本大震災 市民のつどい

被災し、なくなった方の夢をかなえよう

C.W.ニコルさんのメッセージから

鎮魂のうねりが広場を覆った。2012年3月11日14時46分。あれから1年が過ぎ去ったことになる。東京・日比谷公園噴水前の特設ステージでは、「311東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth」(主催:311東日本大震災 市民のつどい)が開催され、数万人が「黙祷」という言葉と同時に一斉に祈りを捧げた。噴水だけが1年前と変わらない水音を立てていた。


つどいの代表世話人であり、作家・環境保護活動家でもあるC.W.ニコルさんは、
次のようなメッセージを壇上から述べた。

「初めて来日してから50年が経ちました。日本に対する強い愛情と信念から1955年に日本国籍を獲得しました。私は今も日本に対する強い誇りを持っています。

長い人生の中で、愛おしい人との別れほど悲しいことはありません。私たちの前からたった数時間で1万9,000人もの人々の姿がなくなりました。でも知恵、経験、思い出、望み、夢など彼らが持っていたものは、私たち一人ひとりの心の中に残っています。

私は長野県の田舎に住んでいます。長野県は森の面積が8割を占める森林の県です。日本は全体でも67%を森林が占めています。北の流氷、南のサンゴ礁。この国はすばらしい自然とともにあります。私はこの国の国籍を取ったことを誇りに思っています。

震災の後、世界の友人たちから私のところに電話がありました。今すぐ家族を連れて逃げてくださいというものでした。でも私は逃げません。なくなった人たちの夢を追いかけたいと思っています。

震災の後、私が住んでいる地域にも被災者が避難してきました。この数年で、私が育てた森には絶滅危惧種が29種も戻ってきました。被災者の皆さんは、「未来を見ているようだ」と語ってくれました。

森と川を守り育てることから始めよう、私はそう誓っています。自然に挑むというのは誤りです。自然と向き合い、自然とともに新しい日本をつくらなければなりません」

 この日、特設ステージでは、坂本龍一、岩井俊二、中沢新一、SUGIZO、加藤登紀子、 Caravan、後藤正文(アジアン・カンフー・ジェネレーション)、佐藤タイジ、GAKU-MC、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(OAU)、などがライブ出演。加藤登紀子、Yaeほか、実力派ミュージシャンによる多彩なライブステージが行われた。

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