国内企業最前線

京王電鉄の学童保育事業子供たちに‟いきいきした放課後”を

京王電鉄㈱総合企画本部事業推進部 事業開発担当課長 田中 恵理さんに聞く

Q4 具体的な運営の内容、対象児童、プログラム、そして親たちの関心事である料金などについてもお聞かせください。

田中 もうすぐ新学期です。4月からは新入生の受け入れも本格化し、現在、定員の約7割のお子様をお預かりする予定です。今年度からはお子様の学校へのお迎えサービスも行っています。学校と連携をとりながらのお迎えにしたいと調整しているところです。

子供たちの日課は、宿題を含めた学習の習慣づけ、おやつ、イベント、そして片づけなどからなります。工作、おやつ作り、おもしろ実験などに加え、保護者からの要望も取り入れて英会話など多彩な年間プログラムが用意されています。

利用料金は、13時から19時までお預かりする定期会員で月額12,600円(週1日)から43,050円(週5日)、ビジターの場合は13時から19時までが3,675円となっています。延長料金が必要ですが、21時までのお預かりも可能です。また、長期休暇時には、特別料金を設けています。

多彩なプログラムで運営される京王の学童

Q5 第一号は千歳烏山教室だそうですが、こうした事業を採算ベースに乗せるにはかなりのご苦労があるのではないでしょうか。

田中 千歳烏山駅周辺は、半径1km圏内に小学校数も多く、中でも在校生数が1,000人に近い学校もあります。その他、駅周辺には商店街が充実しており、千歳烏山にオープンすることとしました。

また、千歳烏山教室の向かいには、京王の保育所もあり連携を考えて、まずここで始めようと考えました。この場所は駅から歩いても2分の場所にあり、公立の小学校だけでなく私立の小学校の通学生の受け入れにも便利な場所にあるといえます。

ただ、民間学童保育に関して、行政からの補助金がないので、あくまでも独立独歩で採算ベースに乗せることになります。こうした事業でただちに利益を出すことは簡単ではありませんが、長い目で地域に貢献し、地域の役に立つ信頼できるサービスであるとの理解を広げたいと考えています。

Q6 今後、沿線に展開を計画していくとのことですが、展開するにあたっての課題や問題点がありましたらお聞かせください。

田中 当面はこの千歳烏山教室を軌道に乗せることが目標です。そのうえで沿線地域の要望などを見極めたいと考えています。

当面の課題としては認知を広めていくというテーマがあります。お子様を預かるという事業の性質上、口コミが一番ですが、鉄道会社ですから、電車の中吊り広告などで周知を図れるのはありがたいです。また、保護者が求めている子供たちの放課後とのイメージのすり合わせが大切だと感じています。

どのような放課後生活が子供たちの成長に結びついていくのか、私たちも十分見極めつつ、子供たちと保護者の双方から安心して預けられるという信頼を得たいと考えています。(2012年3月)。

○京王の学童「京王ジュニアプラッツ」のホームページ
http://www.keiojuniorplats.net/
お問い合わせ電話 03-3326-2070

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