「科学技術は環境(エコ)の基本」シリーズ 

【はじめに】時代が必要とする<科学技術>エコリーダーとは?

(公社)日本技術士会「登録持続可能な社会推進センター」代表の今井宏信氏(今井環境コンサルタント技術士事務所 代表)に<科学技術>エコリーダーとは何かを伺いました。

これまでの「科学技術はエコの基本」シリーズはコチラから

Q.<科学技術>エコリーダーとは?

環境問題への関心が高まるなか、東京商工会議所が主催するエコ検定の合格者(エコピープル)は日本全国で既に16万人に達しました。エコピープルのスキルアップ事業の一つが<科学技術>エコリーダー養成講座(主催:東京商工会議所、共催:(公社)日本技術士会「登録持続可能な社会推進センター」)、つまり科学技術に特化した人材の育成ですね。当センターが作成した公式テキストを解説する2日間のセミナー受講者には東京商工会議所と日本技術士会と連盟での受講修了書をお渡ししています。

Q.これまで受講された方は、ビジネスマン、経営者、学生と幅広いですね?

エコ検定を合格されたエコピープルが対象ですので、既に環境全般の常識を知っている人となりますが、そもそもエコピープルにはお子さんも高齢者もいらっしゃいます。エコリーダー公式テキスト「<科学技術>エコリーダーになろう」も、工学系の方だけでなく、一般の方にも科学技術全般の知識を知っていただくよう作られています。これから地域のリーダーとなる若い方、会社を担う新入社員など若い世代の方にも是非に受講いただければと思います。

Q.なぜ、日本技術士会が<科学技術>エコリーダー養成に取り組むのですか?

「技術士」は国内で科学技術者に与えられる最高の国家資格です。(公社)日本技術士会は全国県単位で地域に密着した活動を続けており、科学技術分野におけるスペシャリストの育成も重要テーマの一つです。今や環境・エネルギー分野への取組みは世界的な課題ですが、さらに日本は2011年3月11日の東日本大震災を経験しました。まさに国難というべき状況下、これまで培ってきた科学技術を結集し、新たな転換や叡智を持ってこの難局を克服しなければなりません。社会生活と地球環境との調和を図るために、より実践的に科学技術を広く活用しなければならない、そうした思いからプロジェクトチームとして2008年5月に技術士会の中に「持続可能な社会推進センター」を設立しました。<科学技術>エコリーダー養成を当センターの主要な活動の一つとして位置づけ、公式テキストの執筆や養成講座の運営に取り組んでいます。

Q.「科学技術は環境(エコ)の基本」シリーズ【第1回】東日本大震災と科学技術では、技術士の皆さんが復興に向けて具体案を積極的に提言されていること、日本の未来を選択するために個人が科学技術の目を持たなければとの話が印象的でした。

科学技術というと堅苦しいですが、再生エネルギー、太陽光発電、生活に密着した下水道施設、私たちは誰でも科学技術の恩恵を日夜受けています。今まさに、被災地における復興計画、今後のエネルギー政策が立案・議論され、実施されようとしています。本当に環境というキーワードに沿った計画であるのか、未来の私たちに望ましいものであるのか見極めていかなければなりません。地域・会社に科学技術をマスターしたリーダーが必要な時代となっています。

Q.環境リスク、技術者のモラルなどもキーワードに、ある程度の知識を持つ環境NGO、ビジネスマン、企業経営者などにも興味を持っていただける内容ですね。

公式テキスト構成に1年、編集に2年を費やして考え、「法規制、新技術、教育」の3つをキーワードに、「国際化、リスクマネジメント」を加えた5部構成としました。環境と経済の関係、日本企業が国際化するなかでの環境リスクマネジメントなど、全般的なテーマを分かり易く解説しています。私ども技術士は、科学技術に関する高度な知識と応用能力とともに、“技術者倫理”を備えることが求められます。会社、地域の団体が活動する際に、「その活動は倫理モラルに反する」「環境リスクが高い」、知識を持って言える人材が必要な時代です。国内外でビジネスされる方、ISO14001担当者はもちろん、企業経営者の方にもぜひ基本知識を学んでいただきたい。遠隔地で養成講座をご利用いただきにくい方には、公式テキストをぜひご一読頂ければと思います。 (2012年9月)

●「科学技術は環境(エコ)の基本」シリーズ

【はじめに】時代が必要とする科学技術エコリーダーとは?
【第1回】東日本大震災と科学技術 ~科学の目で今を選択することが、未来を変える~
【第2回】ニュースの中の環境問題と科学技術~何かしなければの想いを実践につなげる~
【第3回】科学技術を学ぼう①「地球環境の現状と科学技術」「環境問題とその側面」「地球環境問題への対策技術」
【第4回】科学技術を学ぼう②「生活と科学技術」「エネルギー開発と対策技術」「地球規模の環境問題と対策技術」
【第5回】科学技術を学ぼう③「IT技術の仕組みと活用」「自然災害から国土をまもる環境保全対策」
【第6回】科学技術を学ぼう④「環境リスクとリスクマネジメント」「技術者のモラル」「環境と経済」
【第7回】科学技術を学ぼう⑤「国際化」「人材育成人材活用を急ごう」「社会環境への気配り」
【第8回】行動力とリ-ダ-シップが社会を変える

●科学技術エコリーダー養成講座について

●エコリーダー公式テキスト「<科学技術>エコリーダーになろう」

既に16万人を超えるeco検定合格者(エコピープル)を対象に、スキルアップ事業「科学技術エコリーダー養成講座」を定期的に開催しています。職場や地域で環境分野のリーダー育成を目的とするもので、2日間の講習修了者には東京商工会議所および(社)日本技術士会「持続可能な社会推進センター」からの認定証が発行されます。

●科学技術エコリーダー養成講座:大阪会場
日時:2013年3月2日(土)、3日(日)
時間:AM10:00~PM4:00(2日間共通)
https://www.eco-people.jp/skillup/kouzaseminar/7875

●上記以外の今後のスケジュールについては下記にお問い合わせください。
[問い合わせ先] エコピープル支援協議会 事務局(エコリーダー担当)
Tel. 03-3556-6405 Fax. 03-5226-3322
E-mail: ecoleader-uketsuke@ep-support.jp

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