CSRフラッシュ

東北の女性をつなぐ「福島のお母さん達と行く石巻」プロジェクト

報告&今後の支援を考えるワークショップレポート

2012年10月8日(月)、都内で東日本大震災支援団のラブギャザリング主催による「福島のお母さん達と行く石巻」プロジェクト報告会が行われた。原発問題で避難を余儀なくされた福島の女性たちと、津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市の皆さんとの交流から現在の被災地を知り、今後を考えるキッカケづくりを目指したものだ。

「世界中から愛を集めて、被災地に届けよう」を合い言葉に

ラブギャザリングは社会起業大学の卒業生を中心とするメンバーが東日本大震災後の2011年3月30日に立ち上げたボランテイアグループで、震災からの地道な活動を重ねながら現地との信頼関係を築き、主に宮城県石巻市の漁師さんとともに商品開発、直販サイトの運営、試食イベント等、漁業復興支援に取り組んでいる。

福島と宮城、互いの立場を知る

一方で東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県から関東へ避難してきた「福島避難母子の会 in 関東」との皆さんとも交流。“福島以外の被災地も知りたい”という一言から「福島のお母さん達と行く石巻」プロジェクトが生まれ、今年の9月1日(土)~2日(日)には、ラブギャザリング主催で「福島避難母子の会 in 関東」の皆さんが宮城県の女川を訪問し、福島と宮城、異なる被災地域の交流が実現した。

「福島のお母さん達と行く石巻」ツアーの様子(写真はラブギャザリング提供)。印象的だったのが、漁師のお父さんが「震災以降、ラブギャザリングメンバーが見守り続けてくれた、ずっと支援されている、そのことが元気につながっているのかな」との言葉。人を勇気づけるのは人、そのことを、改めて感じさせらる。

1人ひとりが今から出来ることを考えるキッカケに

報告会では、「福島避難母子の会 in 関東」のかん澤沙織さん、深川美子さんらから訪問時の様子が写真とともに報告された。「津波で児童を含む大惨事が生じた大川小学校では、同じ年代の小学生の子どもを持つ母親である自分たち。行ってらっしゃいと送りだした子どもが帰ってこなかったら、そう思うと胸が詰まった」と原発事故とはまた異なる津波の被害の現場に立ったつらさをメンバーは語った。その一方で、石巻市十三浜の「浜十三」漁師さんやお母さんとの交流では「被災した皆さんの明るさ、前向きさを感じ、私たちがパワーをもらった」との声も。震災から1年半がたち、自主避難して関東圏での生活も落ち着き、改めて、「残された命、亡くなった命、守ろうとしている命が無駄にならないように。今を強く生きようと気づかせてくれたツアーでした。(母子の会参加者手紙から)」との声が寄せられた。

「福島避難母子の会 in 関東」のかん澤沙織さん(左)と深川美子さん。深川さんからは、2012年6月に国会で成立し具体的な施策がこれから決められる「原発事故子ども・被災者支援法」について、本当の意味で被災者の生活支援につながるものとなるために「皆さんもぜひ関心を持っていただきたい」と語った。(支援法については「SAFLAN(福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク)」HPをご参照ください。http://www.saflan.jp/law)

報告会では一般参加者も交えてのワークショップも行われ、“今後、1人ひとりができる被災地支援について”の意見交換会も行われた。ラブギャザリングでは、今後も継続して、被災地と被災地外、異なる被災地間、さまざまな「人と人をつなげる」支援活動および都内での報告会等を開催していく。
(2012年10月)

東日本支援団体 ラブギャザリング

http://www.love-g.info/
「世界中から愛を集めて、被災地に届けよう」を合い言葉に、被災地以外の人々のアクションを東北に届け、日本全体で東北復興に向けて動ける社会を目指す。

福島避難母子の会in 関東

ブログ:http://hinanboshi.blog.fc2.com/
東京電力福島第一原子力発電所事故により関東へ避難してきた母子の会。福島から自主避難してきた方たちの話を聞く「トーク・トーク福島」等、精力的に活動中。

●ラブギャザリングが支援する宮城県石巻「浜十三」オフィシャルサイト

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