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食のエッセイを書いて世界の子どもたちを応援しようWFPエッセイコンテスト2012 表彰式を開催

2012年11月9日(金)、国連大学(東京都渋谷区)で特定非営利活動法人国連WFP協会が主催する「WFPエッセイコンテスト2012」表彰式が開催された。飢餓は世界最大の、そして解決できる問題といわれている。小学4年生から大人まで幅広い世代から選ばれた受賞者たちは“身近な出来事を文章にする”ことで一歩、世界の飢餓に苦しむこどもたちと繋がることができたようだ。式の様子をレポートする。

審査委員長 湯川れい子さん(国連WFP協会顧問)、特別審査員 竹下景子さん(国連WFP協会親善大使)らと受賞者を囲んで。

国連WFPのエッセイコンテストは「食べる大切さ」をテーマに国内に住む幅広い世代からエッセイを募集し、応募1作品につき30円—飢餓に苦しむ発展途上国の子どもたちの給食約1日分—が協賛企業から国連WFPの「学校給食プログラム」へと寄付される。2012年度は小学4年生から大人まで幅広い世代から総数6,160通の応募があり、総額184,800円が協賛企業である日清食品ホールディング株式会社と株式会社ファミリーマートから寄付された。

WFP賞を受賞した作品「こころの日」(静岡県 近藤順子さん)は、幼稚園のイベント「こころの日」(ひと月に1日だけ、お昼をおにぎりだけにして給食費を寄付に回す)を通じて、幼い息子が“せかいのひと”を思いやる様子を母親のやさしい視線であらわしたエッセイだ。受賞作品を朗読した俳優 竹下景子さんは「私は10歳の時に使用済切手を途上国に送ったのが初めてのボランテイア活動でした。3歳の男の子もおにぎり1つで途上国の皆さんとつながることができたのだと思います」と称賛した。

受賞作品を朗読する俳優 竹下景子さん

また、審査員特別賞(中学生・高校生部門)を受賞した「東北魂」(宮城県 高橋慶吾さん)は、東日本大震災後1年半経過した東北の現状をエッセイにした。東北の産物は放射能の風評被害で流通が滞っている、しかし、かつて親しんだ寿司屋の大将は「全部なくなっちゃけど、ここからふんばらないと」と頑張り、漁師たちも変わらず命がけで漁に出る。「こわさ」を抱えながら、今ここにあるものを食べて生きていく。宮城県大崎市の中学3年生 高橋慶吾さんは「震災から1年以上たって、被災地では前向きに生きていることを知って欲しいと思って書きました」と語った。

国連WFP協会 横手仁美 事務局長は挨拶で「“飢餓は世界最大の、そして解決できる問題”です。私たちの活動は(世界の問題の大きさからすれば)小さな取組みかもしれませんが、ぜひ皆さんお一人お一人に飢餓問題に関心を持っていただきたい」と協力を呼びかけた。

国連WFP協会 横手仁美 事務局長

●WFPエッセイコンテスト2012 受賞作品はこちらからお読みいただけます。

http://www.redcup.jp/essay2012/result.html

国連WFP http://ja.wfp.org/
国連WFPの「学校給食プログラム」について
世界では、一日に一度の食事すら満足に食べることができず、空腹のまま学校に通う子どもが6,600万人います。また、学校に通えてすらいない子どもが6,700万人います。そこで国連WFPは、途上国の子どもたちの健全な成長を促し、教育の機会を広げるため「学校給食プログラム」を行っています。
国連WFPでは、学校給食プログラムへの支援の輪を広げるための「レッドカップキャンペーン」を実施中です。
詳細はこちら: http://www.redcup.jp

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