CSRフラッシュ

フェアトレードの大切さをこどもたちと一緒に!

「こどもにつたえるフェアトレード2013」レポート

夏休みもいよいよ後半。自由研究などの宿題は進んでいますか。これからが追い込みという親子にぴったりの催しが都内で開催中です。「こどもにつたえるフェアトレード2013」。東京産の木材でつくられた木の香り一杯のお部屋で、かわいい木の机や椅子に座って、フェアトレードについて楽しいお勉強をしました。

●「フェアトレードは遠い海外ではなく、今の日本を考えることにつながる」はコチラ
http://csr-magazine.com/2013/08/21/shaplaneer/

フェアトレードを知っているのは日本人の26%

あなたはフェアトレードについてどのくらい知っていますか。Fair Tradeは直訳すると「公正な取引」、発展途上国から原料や製品を適正な価格で継続的に購入することですが、残念ながら日本ではフェアトレードが分かると答える人は26%。日本人一人がフェアトレード産品の購入にあてる金額は1年間でわずか17円にすぎません。

欧米の国々では、各地に「フェアトレードタウン」があり、町ぐるみで途上国の産品を販売し応援しています。一部の人にしかまわらない開発援助よりも公正な貿易(フェアトレード)の方が人々の自立の役に立つからです。

都内でWEBデザインや出版を手掛ける株式会社budori(有村正一社長)は、この夏「フェアトレードのことを質問されたら、なんて答えたら良いでしょう?」をキャッチコピーに、イベント「こどもにつたえるフェアトレード2013」をオフィスに併設するKINOへや(千代田区岩本町2-11-9)で開催しています。

この日のイベントには、小学生のお子さまをもつ親子連れから大学生、社会人など総勢10名が参加。初めにフェアトレードの代表的な製品であるチョコレートを参加者全員で味わったあと、ゲーム形式でフェアトレードの仕組みを学びました。

オリジナルのゲームカードを使用して「フェアトレード」を体験

㈱budoriではフェアトレード製品を常時展示販売。※チョコレートは冬季のみ販売となります。

菅原さんが語るバングラデシュの人々

この日のゲストは、最近までバングラデシュでフェアトレードの石鹸づくりなどを支援してきたNGO法人シャプラニールの菅原伸忠さん。菅原さんは大学院で開発経済学を学んだあと、IT関連会社でシステムエンジニアを経験しましたが、どうしても開発援助の仕事がしたくてシャプラニールに転職したというユニークな経歴の持ち主です。

NGO法人シャプラニール 菅原伸忠さん

2010年5月からバングラデシュ駐在員として現地に赴任し、フェアトレード部門のパートナー団体(繊維の手工芸品や石鹸など)との調整役などを担当しました。滞在中にバングラデシュの公用語であるベンガル語を習得し、現地のスタッフやパートナー団体との会話はほとんどベンガル語で行ったそうです。

バングラデシュはインドの東側に位置し、日本の2/3ほどの国土に1億5千万人が暮らす世界で7番目に人口の多い国。紛争や水害などで国土の一部は荒廃しているものの、大河ガンジスの恵みもあって肥沃な土地には豊かな農作物が実るといいます。ただ、産業が未成熟なため人々の暮らしは豊かさにはほど遠く、子どもたちの約20人に1人が児童労働をさせられるなど、教育の機会にも恵まれていません。特に女の子は読み書きができない子が多くいます。

「バングラデシュの人々は明るく、われわれ日本人と比べてもたくましい生活力をもっています。世界のみなさんと交易を拡げていくためにも、産品の品質向上などに力を入れていきたい」と今後に向けた抱負を語ってくれました。

バングラデシュの人々はほとんど毎日カレー料理で、オフィスの昼時もカレーのメニューが並ぶことも多く、菅原さんもすっかりカレー味になじんだと楽しそうに語ってくれました。

シャプラニールは1972年に設立された国際NGOで、特定の宗教、政治、企業、団体には属していません 設立時から北の豊かな国と南の貧しい国の間に横たわる南北問題に関心を寄せ、バングラデシュ、インド、ネパールなど南アジアの人々の生活上の問題解決に向けた活動を現地と日本国内で行ってきました。「すべての人々がもつ豊かな可能性が開花する社会の実現」を目指しています。

バングラデシュのカンタ刺繍(左)と100%ナチュラル素材の石鹸

子どもたちも目を輝かせながら話に聞き入った

8月中は日曜日を除いてほぼ毎日開催

「こどもにつたえるフェアトレード2013」の催しは、「フェアトレードのしくみ」「ワークショップみんなともだちプロジェクト」「シャプラニール ・DAY」「映画ガーメント・ガールズ上映会」「フェアトレード商品の展示・販売」などが8月中はほぼ日替わりで開催されています。詳しくは株式会社budoriのホームページでご確認の上、お申込みください。

最後は全員で「フェアトレードを小学校に根付かせる」ためのブレインストーミング

フェアトレードを説明するオリジナル絵本も全員にプレゼント

●こどもにつたえるフェアトレード2013ホームページはコチラ

http://www.budori.co.jp/works/kodomofairtrade

今回レポートした「こどもがわかる・おとなにひびくフェアトレードのしくみ」は8月24日(土)14:00-16:30に、シャプラニール主催のワークショップ「シャプラニール ・DAY」は8月21日(水)・28日(水)にも開催されます。

【お問い合わせ】

●株式会社budori

http://www.budori.co.jp/works/kodomofairtrade/
東京都千代田区岩本町2-11-9 イトーピア橋本8F
info@budori.co.jp
(電話:03-5809-3057)

●特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会

http://www.shaplaneer.org/
〒169-8611 東京都新宿区西早稲田2-3-1 早稲田奉仕園内
TEL: 03-3202-7863 / FAX:03-3202-4593

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