CSRフラッシュ

大船渡と三陸の復興を呼びかけ若手演奏家が復興支援のコンサートを開催

~小さなコンサートが感動の輪を広げた~

さんりく大船渡ふるさと大使を務めるピアニストの西村元希さんが「大船渡復興支援」の願いをこめてピアノコンサートを開いた。ゲストとして参加したのはソプラノ歌手二宮望実さん。二人の演奏が参加者たちの共感を誘った。

二人の共演による演奏会風景(左が西村元希さん、右が二宮望実さん)

二人の共演による演奏会風景(左が西村元希さん、右が二宮望実さん)

‟希望のつぼみ”を被災地へ

会場の入口付近に震災直後の大船渡といまの状況が写真パネルで掲示されていた。被災直後の悲惨なたたずまいこそ解消されたものの、現在の写真に新しい建物の姿はほとんどなく、いまも復興が道半ばであることを示している。

大船渡支援2

大船渡高校出身の西村元希さんは東京音楽大学に学び、23歳で「第7回ブルクハルト国際音楽コンクール」のピアノ部門で最高位の1位に輝いた新進気鋭のピアニスト。たまたま帰っていた実家のある三陸町で震災を体験した。

二宮望実さんは、桐朋学園大学院大学研究科を修了し、その後イタリアなどに留学、現地で東日本大震災の知らせを聞いて居ても立ってもいられず、イタリアにいる友だちとともに現地でチャリティーコンサートを開き、義援金を日本に贈るほどの行動派。その後、二宮さんも「第13回ブルクハルト国際音楽コンクール」の声楽部門で最高位の1位に輝いた。同じ国際音楽コンクールで1位となった縁もあり、この日の共演が実現した。


会場の全員で「花は咲く」を大合唱

第一部は弦楽合奏グループのアマティーナの演奏「花が咲く」で幕が開き、続いて西村さんのピアノソロでブラームスの「ワルツ作品39-15」や「さくらさくら」、ショパンの「ノクターン」、そして西村元希さんが「ブルクハルト国際音楽コンクール」で1位の栄冠を得たリストの「ハンガリー狂詩曲第12番」など7曲が演奏された。力強さと軽快なピアノさばきが印象に残る。

大船渡支援3

第二部は西村さんと二宮望実さんの共演で、「千の風になって」、プッチーニの「アヴェマリア」、映画ニューシネマパラダイスのテーマ「愛のテーマ」、NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の主題歌として使われた「Stand Alone」など7曲が演奏された。

この日のために二宮さんが練習したという「Stand Alone」の中の「希望のつぼみが遠くを見つめていた」という歌詞が心に響いた。

演奏の前、西村さんは「震災から4年経ったが、現地はまだ復興の途中経過に過ぎず、これからも温かく見守ってほしい」と語ってくれた。二宮さんも「この日のために希望や愛にちなんだ曲を選んだ」と述べた。

大船渡支援4
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演奏会の最後、会場の皆さんと二人が一緒になって「花は咲く」の大合唱を行い、締めくくられた。この日の演奏参加者は全員が無償での参加を承諾し、会場に駆けつけてくれたもの。善意が会場全体を包んだ。

「花は咲く」を全員で大合唱

「花は咲く」を全員で大合唱

この日のコンサートでは、三陸の海産物(わかめ、茎わかめで、昆布など)が販売され完売した。わかめや昆布は風評被害により、いまも販売が戻っていないそうだ。

海産物の販売には復興開発支援機構専務理事の多久島俊昭さんらが自主的にボランティア参加で支援した。

海産物の販売には復興開発支援機構専務理事の多久島俊昭さんらが自主的にボランティア参加で支援した。


                          

●西村元希さん:東京音楽大学卒業。「第7回ブルクハルト国際音楽コンクール」のピアノ部門第1位、他受賞歴多数。全日本ピアノ指導協会(ピティナ)正会員。さんりく大船渡ふるさと大使。

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●二宮望実さん:桐朋学園音楽大学声楽科を経て桐朋学園大学研究科 3 年修了。2012 年パルマ国立音楽院を卒業。2012年10月、5年半のイタリア留学を終え、日本に帰国。第13回ブルクハルト国際音楽コンクール声楽部門第1位。日本声楽家協会会員、東京国際芸術協会会員

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◎「だいじょうぶ!東北〜東日本大震災を風化させないために〜」

今回のコンサートの主催団体によるお話とチャリティーコンサート「だいじょうぶ!東北〜東日本大震災を風化させないために〜」が開催します。ぜひご参加ください。
●2015年7月17日(金)14時~ 国立オリンピック記念青少年総合センターカルチャー棟4F(参加費2,500円)


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