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ニャンともいい話 2題「にゃんにゃんコンサート」開催と、ネコの殺処分ゼロへの取り組み

2月22日は「ニャン」「ニャン」「ニャン」とネコ好きにはたまらない語呂のよい数字が3つもそろったネコの日。愛猫家たちによって開催された「にゃんにゃんコンサート」の模様と、ネコの殺処分ゼロをめざす「一般社団法人ちよだニャンとなる会」の取り組みをご紹介します。

猫の日1

Part1. 愛猫家たちが「にゃんにゃんコンサート」を開催

すっかりメジャーになった「ネコの日」ですが、世田谷区成城の閑静な住宅地の一角にある教会のようなコンサートホール、サローネ・フォンタナで、「にゃんにゃんコンサート」が開催されました。

この日の演奏家は、声楽家でピアニストのいとうたつこさんと、チェリストの北村祐美子さんのお二人。「朝鮮半島のネコ」「ニューオリンズのネコ」「沖縄のネコ」などネコの日にちなんだ楽曲から始まり、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」やバッハの「G戦上のアリア」などおなじみの曲も含めて全11曲が披露されました。

いとうたつこさん(右)と北村祐美子さん(左)のお二人。「にゃんにゃんコンサート」の会場で

いとうたつこさん(右)と北村祐美子さん(左)のお二人。
「にゃんにゃんコンサート」の会場で

演奏会を開いたのは、あそび歌の「ねこふんじゃった」に関する資料を収集・整理する「ねこふんじゃった資料室」。ご存知かもしれませんが、外国では「ねこふんじゃった」という題名の曲は存在しません。例えば、ロシアでは「犬のワルツ」、ユーゴスラビアでは「黒のメロディ」などとそれぞれの国で題名が異なっているのです。

「ねこふんじゃった資料室」では、世界中で知られているこのあそび歌をさらに楽しんでもらうため、「ねこふんじゃったの歌詞募集」も行っています。

1つは、題名以外全部新作の歌詞であるというもの。♪ねこふんじゃった、ねこふんじゃった……猫は何を踏んだのか?――面白いストーリーを大歓迎とか。もう1つは、メロディーはそのままで「題名と歌詞」を自由な発想でつくるというもの。素敵な歌詞が出来たらコンサートと、記念CDを制作したいと主催者は語っています。

なお、会場には60人近い人たちが入場し、この日の収益は世田谷区の動物愛護協会に寄贈されました。

猫の日3

●ねこふんじゃった資料室

http://flohwaltzer.starfree.jp/index.html


Part 2. ネコも人もしあわせな町に。
飼い主のいないネコの殺処分ゼロを実現!

「一般社団法人ちよだニャンとなる会」の取り組み

あなたはネコ派、イヌ派?! そんな論争を時折耳にしませんか。最近は放置されたイヌを見る機会がめっきり減ったのに対し、野良ネコの姿を目にする機会が増えています。

ネコの繁殖力は旺盛で、生後4〜5カ月で生殖能力を持ち、交尾すればほぼ100パーセント妊娠し、年に2〜3回、4〜5匹の子猫が生まれます。ネコの一生では200匹も産むといわれています。

近年は飼い主の高齢化が進む一方で、ネコの長寿命化も進み、ネコの一生も飼い主の家族構成の変化や障害、病気などの影響をもろに受けています。

環境省の発表によれば、2014年度のネコの殺処分数は79,745匹。イヌの3.7倍もの数です。イヌやネコの殺処分数は、動物愛護法の改定や多くの自治体、ボランティアの活動によって、10年前と比べ4分の1にまで減ったと言われていますが、それでもかなりの数に上っています。

実は、わが国でネコの殺処分ゼロをいち早く実現したのが東京都千代田区であり、その原動力となったのが「一般社団法人ちよだニャンとなる会」の活動です。

飼い主の事情でいき場を失ったネコたちに

千代田区では、2000年から「飼い主のいない猫の去勢・不妊手術費助成事業」を開始。区民・在勤者を対象にボランティアを募集し、市民グループが自主的に「ちよだニャンとなる会」を発足させました。

私たちは、残念ながら生まれた子猫のすべてを飼うことはできず、だれかに譲渡することもできません。つまり、ネコの殺処分を減らすには、去勢・不妊手術しかないのです。

「ちよだニャンとなる会」では、千代田区と連携・協力して、飼い主のいない猫を一時保護して、去勢・不妊手術を行い、元の場所に戻す「TNR」(Trap / Neuter / Return = 一時保護/去勢・不妊手術/元の場所に戻す)活動を続けています。それが地域ぐるみでネコを保護する「地域猫」活動です。

内神田に住む同会の初代代表で現在は顧問を務める栗原環さんは、自らも愛猫の麿呂くん23歳を買う一方で地域ネコへのえさやりを続けていますが、えさやりが終わったら周りをきれいに掃除します。えさの残り物が野鳥を呼び寄せたり、町の美化に悪い影響を与えないようにしているのです。

お陰で千代田区では、愛猫家への地域の理解も深まり、「猫の日」を前にした区役所を会場とした「ちよだ猫まつり2017」には、今年も多数の来場者が参加しました。この日の収益金は「一般社団法人ちよだニャンとなる会」へと寄付され、保護活動や猫の医療費に全額使われています。

「ちよだニャンとなる会」の香取章子さん(右)と栗原環さん(左)。真ん中は「にゃんにゃんコンサート」のいとうたつこさん。

「ちよだニャンとなる会」の香取章子さん(右)と栗原環さん(左)。
真ん中は「にゃんにゃんコンサート」のいとうたつこさん。

●一般社団法人ちよだニャンとなる会

http://www.chiyoda-nyan.org/

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