CSRフラッシュ

映画の照明で夜桜をライトアップ

照明機材レンタル会社アーク・システムの地域貢献

ちょっと遅れぎみだった今年の桜。その満開に合わせて、東京の西を流れる多摩川の支流・野川遊歩道で26回目となる桜のライトアップが行われた。映画やテレビCMの撮影現場を照らす250基の照明機材が河川敷に持ち込まれ、全長約850mの桜並木が夜空に浮かび上がった。

[2017年4月17日公開記事]
夜桜1

満開の桜を映画・CM撮影用の照明でライトアップ

4月12日夜18時、薄暮の中で250基の照明ライトが一斉に桜を照らし出す。薄ピンクの桜並木が、夜空に真っ白な姿を浮かび上がらせると、「ウオッ」という大きな歓声が広がった。

野川のライトアップは18時から21時までのわずか3時間、それも一日限りで行われる。この3時間余りに近隣から数万人が押し寄せるため、この日だけは野川の両岸を走る遊歩道は一方通行となる。

よくよく見ると、ライトアップは桜の枝ぶりなどにも配慮して、桜がきれいに見えるように、前から、下から、背後から、ライトを照らしている場所もある。照明のプロたちの仕事だけに、手抜きは見られない。

今年は、満開の直後から天候が崩れ、一時は美しい桜のライトアップができるか心配されたものの、どうにかぎりぎり間に合った。待ちわびた大勢の見物客が春の宵の一夜限りのライトアップを堪能した。

夜桜2夜桜3夜桜4


きっかけは照明機材会社の従業員の花見

野川のライトアップを手掛けるのは、日活や大映などで知られる映画の街・調布市で映画やテレビCMの撮影用照明機材のレンタルや照明コンサルティングを行う㈱アーク・システム(代表取締役社長武藤光哉)。27年前、旧社屋の近くにあった野川に咲く一本の桜を従業員の花見用にライトアップしたのが始まりだった。

ところが、その美しさが評判を呼び、2本~3本とライトアップする桜の木を増やして、ついには「野川の桜ライトアップを楽しむ会」という市民ボランティア組織まで誕生し、現在のような大掛かりな桜のライトアップとなった。

東日本大震災が起きた2011年はさすがに中止となったものの、2017年で26回目を数え、いまでは知る人ぞ知る近隣の一大イベントとなっている。

設営には大勢のボランティアが大活躍

設営には大勢のボランティアが大活躍

照明機材に電力を供給する移動式電源車の存在に気づく人はあまりいない。桜並木の背後の駐車場に隠れるように停車しているためだ。この電源車もアーク・システムの無償提供だ。

移動式電源車

移動式電源車


大勢のボランティアが準備や跡かたづけに協力

意外と大掛かりな野川のライトアップだが、開催の準備には大勢の地域ボランティアが参加している。東京に桜の開花が告げられた3月末には、河川敷の清掃作業が行われたほか、告知のためのミニ看板が各地に貼りだされた。

だが、ライトアップの開催日はぎりぎりまで決まらない。桜の見頃と天気予報などを考慮して、ようやく2日前に決まり、地域のボランティアが開催日を各所に貼りだすというわけだ。最近では警備を行う調布警察署の要請もあり、土曜や日曜は避け、平日に行われている。

参加者に寄せ書きを書いてもらうコーナーも、「野川の桜ライトアップを楽しむ会」ボランティアの皆さんによるもの。

参加者に寄せ書きを書いてもらうコーナーも、「野川の桜ライトアップを楽しむ会」ボランティアの皆さんによるもの。

開催日は2日前に決定。当日もボランティアが河川敷の清掃をした。

開催日は2日前に決定。当日もボランティアが河川敷の清掃をした。

また、開催日の前日と当日の2日間は、照明機材の搬入と設置作業が行われ、ライトアップの翌日には機材の撤収と跡かたづけもあった。どちらも同社社員と市民ボランティアの連携でスムーズに行われた。

なお、閑静な住宅街を流れる野川遊歩道でのライトアップとあって、当日はペット同伴(大型犬)が禁止されるほか飲食、歩きタバコも禁止となっている。

桜が満開に近づくと大勢の市民が野川を散策する

桜が満開に近づくと大勢の市民が野川を散策する

株式会社アーク・システム「野川の桜ライトアップ2017」から

http://www.arc-system.co.jp/special/sakuralightup2017/

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