ただいま、節電奮闘中!

節電・省エネルギー対策に取り組む 東京都環境局長 大野輝之さんに聞く

見える化で情報を共有

都内に80のビルをもっている森ビルの事例ですが、約1,300のテナントが入っています。2年前から削減義務への対応をお願いし、今年の5月30日から「エネルギーWEBシステム」を運用してもらいました。各テナントが使っている電気使用量をそれぞれで見れるようにしました。“見える化”の仕組みづくりです。「時間ごと」「エリアごと」「用途ごと」に確認できます。気候変動対策に向けた制度が節電対策でも有効に機能しています。

中小規模事業所対策

この規模の事業所はこれまで一度も制度の対象になっていません。都は今年から小規模なオフィスに対しても「地球温暖化対策報告書」という形で、エネルギー使用量の削減でどのような取り組みを行っているか、任意で報告してもらうことにしました。

同じ会社で複数の店舗をもっている場合、その合計の使用量が原油換算で3,000kℓを超える場合、提出が義務づけられます。約3万の都内の事業所から提出を受けています。

中小規模事業所には、これまでも「省エネ診断」「業種別セミナー」「区市別セミナー」などを行ってきました。今年は5月から前倒しで集中実施をし、沢山の方に参加いただいています。「省エネハンドブック」というのがあります。250くらいのかなり細かい対策が示されています。

●「省エネハンドブック」はコチラ↓
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/home/attachement/11%20katei_handbook_zentai.pdf

都内には中小企業の団体があります。健全な納税活動を行う東京法人会連合会もその1つです。この団体とは、昨年3月に地球温暖化対策推進に向けて、覚書を締結しました。今年の夏は、会員企業17万社に対して熱心に節電行動を呼びかけています。照明の間引き、温度設定の徹底や従業員の家庭への取り組みも行っています。

家庭における対策

都内には6百万世帯の家庭があります。ここに対しては、1つは区市町村と一緒にきめ細かい取り組みを進めています。前の年に比べ15~20%節電するとか省エネに成功すると、クーポン券がもらえるとか、LEDランプがもらえるといった取り組みを行っている自治体もあります。もう1つは昨年から「家庭の省エネ診断員制度」というのを始めています。

●「家庭の省エネ診断員制度」はコチラ↓
kankyo.metro.tokyo.jp/climate/home/diagnostic_system.htm

今年は「節電アドバイザー制度」もつくりました。東京ガス、東京電力、生協などの社員約6,000人に都または省エネセンターの研修を受講してもらいました。この方たちが家庭への訪問を通して節電のアドバイスを実施していくというものです。東京都内の600万世帯のうち100万世帯を目標に現在取り組みを進めています。

●「節電アドバイザー制度」はコチラ↓
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/home/advice.html

東京都には東京都教育委員会という学校を所管する組織があります。毎年5月に5年生を対象に「地球温暖化対策の授業」を行ってきました。今年は「小中学校の児童・生徒など100万人の節電アクション」を開始しました。小中学生全員にチェックシートを配り、家庭の保護者に向けて省エネ対策を進めてもらおうというのです。校長先生が中心となって省エネ講和や節電授業も行います。

目標を上回る成果

中間のとりまとめを報告します。実は、昨年夏の最大電力消費量は7月23日(第四金曜日)の5,999万kWでした。子供たちが夏休みに入った直後が一番電力消費も伸びるのです。今年はこの最大電力消費量から15%カットの5,100万kWが東京電力管内の目標です。

実績を見ると昨年平均を20数%下回っています。今年は、7月15日が34℃で電力消費量が一番高かったのですが、それでも4,600万kWでした。かなりの節電効果です。東京電力は今年の予想の最大値を5,500万kWとしてきました。7月の予想最大電力量を4,900万kWまで下げてきています。電力需要は努力でかなりコントロールできるのだと分かりました。

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