「科学技術は環境(エコ)の基本」シリーズ

【第5回】科学技術を学ぼう③

~公式テキストから~「IT技術の仕組みと活用」「自然災害から国土をまもる環境保全対策」

第8章 自然災害から国土をまもる環境保全対策

植村:この章では、科学技術が地球温暖化対策を通して、必要な安全対策とはどのようなものなのか、災害とその対応および頻発する異常気象から国土を守る環境保全として、森林が持つ防災効果について学習します。

「減災社会」に向けたソフト対応とハード対応

「災害は忘れた頃にやってくる」とは、物理学者で随筆家でもある寺田虎彦が大正の関東大震災後に残した言葉と言われています。

近年の被害が大きかった地震は、今から17年前の1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災(M7.3)、8年前の2004年10月23日の新潟県中越地震(M6.8)、4年前の2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震(M7.2)。そして1年前の2011年3月11日、日本周辺で発生した観測史上最大の東日本大震災(M9.0)は未曾有の災害となり死者・行方不明者は約19,000人に達しました。地震の活動期に入った日本列島とも言われ、「災害は忘れない内に必ずやってくる」という認識が必要になりました。

東日本大震災直後の石巻市内

もう一つの災害の代表は、地球温暖化の影響が関係していると言われている異常な集中豪雨、ゲリラ豪雨です。近年の豪雨災害の資料を見ると毎年のように発生して大きな被害を出しています。特に記憶に新しいのは、昨年の9月の台風12号による紀伊半島豪雨災害です。和歌山、奈良、三重県などにおいて、多くの土砂災害、浸水、河川の氾濫が発生し、死者・行方不明者は約90名にもおよびました。

いつでもどこでも起こり得る災害、特に迫りくる巨大地震や大津波への備えを実践する「減災社会」に向けた防災活動として、ハード対応(建物の耐震補強や防潮堤、土砂災害防止工事)とソフト対応(ハザ-ドマップや避難マニュアルの整備や訓練、防災教育)があります。そして、被害軽減のためには、「自分の命は自分で守る=自助」、「地域でお互いに助け合う=共助」そして「消防や警察等の行政が行う=公助」の組み合わせが大変重要です。

「自助+共助+公助」は「減災社会」におけるキーワード

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