CSRフラッシュ

児童養護施設の子どもたちに“学び、成長する”機会を

~企業とNGO/NPOの協働~

Part 2. 子どもたちに学ぶ動機づけと進学支援を

ゴールドマン・サックスのコミュニティ支援プログラム

ゴールドマン・サックス証券株式会社取締役 綿貫治子
(コーポレート・エンゲージメント担当)

綿貫治子さん

寄付金額で世界2位

ゴールドマン・サックスは、世界や日本で幅広い社会貢献活動を展開しています。主に近年は米国において発展途上国の100万人の女性や欧米の100万人の中小企業経営者に数年にまたがり教育機会の提供を行っており、また日本においては被災地への支援や2010年に立ち上げたコミュニティ支援プログラムで、特に児童養護施設への支援に力を注いでいます。

米国『クロニクル・オブ・フィランソロピー』誌によれば、2011年におけるゴールドマン・サックスグループの寄付金額は日本円で約273億円となっており、フォルマートに次いで2番目となっています。

私どもは社会貢献活動に対して以下のような基本的な考えを持っています。
・社員など人材を生かした活動であること
・社員などが暮らすコミュニティへの活動支援であること
・非営利団体と対等かつ長期的なパートナーシップを組めること
・目に見える活動であり、意義が明確であること

また、日本では以下のような支援分野を中心に社会貢献活動を行っています。
・教育の機会を得ることが困難な人たちに対する教育支援
・一緒に働けるなど就労や雇用機会を創出する支援
・地域コミュニティの活性化

地域コミュニティ活性化に向けた取り組み

地域コミュニティへの支援活動として代表的なものにコミュニティ・チームワークス(CTW)やゴールドマン・サックス・ギブズ・コミュニティ支援プログラムがあります。ゴールドマン・サックス・ギブズ・コミュニティ支援プログラムの要の1つとなっている児童養護施設の子どもたちへの進学支援に取り組むきっかけとなったのは、CTWとサンタ・プロジェクトです。

CTWはゴールドマン・サックスが16年間にわたって継続して取り組んでいるボランティア活動プログラムで、NPOやNGOと一緒に企画したボランティア・プロジェクトに社員がボランティア有給休暇を使って参加するものです。障がい者とのスポーツを通じた交流、趣味や特技を生かした子どもたちとの交流企画、困難を抱える女性たちと社員の経験を共有するプログラムなど多岐にわたっています。2012年は約1,200人の社員が42のコミュニティ・パートナーと一緒に企画した66のボランティア活動に参加しました。

サンタ・プロジェクトは、児童養護施設に暮らす子どもたちに願いどおりの品物をプレゼントする取り組みです。2012年は都内で6カ所の施設280人の子どもたちにプレゼントを贈りました。

進学支援プロジェクト

私たちは2010年に社会福祉法人東京都社会福祉協議会(東京ボランティア・市民活動センター)と協働で、次世代を担う子どもたちに焦点を当てた地域支援プログラム「ゴールドマン・サックス・ギブズ・コミュニティ支援プログラム」を立ち上げました。こちらは「児童養護施設等で暮らす子どもの進学支援」「母子家庭などのひとり親就労支援」「子どもの教育や子育てを支援するNPOの基盤整備のためのプロボノ活動」の3つからなります。このプログラムの運営に当たり、約3億4千万円相当をゴールドマン・サックスのチャリティ支援基金より拠出しています。

進学支援では、経済的な理由で進学が困難な児童養護施設等で生活する子どもたちを対象に、進学への前段階として進学意欲を高めるため、小・中学生にはそれぞれの段階に応じた学習支援、高校生・大学生については選考を経て塾代や4年間の学費全額と生活費などの資金的支援を行っています。対象となる子どもたちの人数は4年間で約650名になる予定です。

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