CSRフラッシュ

考えよう! アフリカの水

アフリカ人留学生と横浜市民の井戸端フォーラム2013

カムギシャ・ゴドウィンさん(ウガンダ共和国)

報告するカムギシャ・ゴドウィンさん

Q1 飲み水はどこから得ていますか。また、飲み水を得るためにはどのような苦労がありますか。

首都カンパラでは水道と雨水から。地方では地下水、川、池、湖、雨水から。水道水も煮沸しないと飲用には適しません。また、水道管がたびたび破裂するため、家庭への供給量が足りません。雨水を貯蔵するコンテナやタンクが不衛生だという問題もあります。

地方では、川や池の水は動物によって汚染されており、飲料水に適さない場合も多いのです。また、雨水を貯めるタンクが不足しています。

Q2 飲み水は消毒されていますか。

首都カンパラでは消毒されていますが、安心して飲めるというレベルではありません。地方では煮沸して飲むのが最善の方法です。

Q3 飲み水は生で飲んでも問題はありませんか。

必ずしも大丈夫とは言えません。

Q4 水質に関して、他にどのような問題がありますか。その解決には何が必要ですか。

水の供給・管理を担当する国の機関が水道水の安全性を保障できる程度まで水処理技術を向上させる必要があります。家庭などに水を引く水道管にはかなり老朽化したものも多く、安全な水道管に取り換えるなどして水の供給システムを改善しなければなりません。

地方では、安全に雨水を貯められる簡単な貯水タンクや不足しています。川、池、湖の水を使うのではなく、飲料水用の水源を新たに確保しなければなりません。

20リットルのコンテナに入れる錠剤のような簡単な水処理技術が求められます。

Q5 水の供給に関して海外や国際機関からの支援や協力を受けていますか。

オランダで創設された非営利の国際開発機関でSNWという組織が活躍しています。アフリカだけでなく、アジア、ラテンアメリカの36カ国で活動中です。ほかにはユニセフがあります。

それらの組織は、地下水の掘削により、学校や田舎の集落に安全な水を供給しています。

●ウガンダ共和国の概要

アフリカ東部に位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。東にケニア、南にタンザニア、南西にルワンダ、西にコンゴ民主共和国、北に南スーダンとの国境に囲まれた内陸国である。首都はカンパラ。人口は3451万人。2011年の1人当たりのGNIは510米ドルとされる。

ナイル川(白ナイル)の始まるビクトリア湖に接している。旧イギリス植民地。独立後、度重なる内乱により、1980年代まで経済は混乱したが、1987年以降は世界銀行とIMFの支援を得て構造調整政策を推進し、サハラ以南のアフリカでは最も成長率の高い国の1つ。2010年に成長と雇用創出に重点を置いた5か年開発計画を発表し、実施中。


ムシ・アヴィティさん(タンザニア連合共和国)

報告するムシ・アヴィティさん

Q1 飲み水はどこから得ていますか。また、飲み水を得るためにはどのような苦労がありますか。

首都ダラエスサラームでは水道、井戸、川、雨水のほか、給水タンクや給水車が使われています。地方では地下水、川、池、湖、雨水に加えて、水路や給水車が使われています。

首都では給水量が少ないため、行列ができるという問題のほか、衛生的でないとか、貯蔵スペースが限られている、安全でない、水を運ぶ苦労がある、水が高いなどの問題があります。地方でもほぼ同様の問題があります。

Q2 飲み水は消毒されていますか。

首都ダラエスサラームの水は消毒されています。地方では必ずしも消毒されていません。

Q3 飲み水は生で飲んでも問題はありませんか。

首都でも地方でも、必ずしも大丈夫とは言えません。

Q4 水質に関して、他にどのような問題がありますか。その解決には何が必要ですか。

水場が遠い、水が手に入れにくい、質がよくないなどの問題があります。水のインフラが粗末で古くて壊れています。浄水に下水や汚染物が混入するといった問題もあります。森林伐採が進み、水資源の劣化が心配されています。

対策には新しい水のインフラの開発、大型の貯水タンクの設置、地下水の掘削と消毒・殺菌施設の設置、環境をきれいにして、水の汚染をなくす、水源地を保存する森林再生などが必要です。

Q5 水の供給に関して海外や国際機関からの支援や協力を受けていますか。

世界銀行、アフリカ開発銀行、日本のJICA、ドイツの開発機関、米国のミレニアムチャレンジ公社、フランス開発庁などがあります。

水資源開発に関する財政的な支援、地下水の掘削、揚水機の設置などの支援が行われています。

●タンザニア連合共和国の概要

中央アフリカ東部の共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、ザンビア、マラウイ、モザンビークと国境を接し、タンガニーカ湖対岸にはコンゴ民主共和国があり、またインド洋に面する。1996年に立法府の議事堂が法律上の新首都ドドマに移転されたが、その他の政府官庁は旧首都ダルエスサラームにある。人口は約4622万人。

アフリカでも有数の大自然に恵まれ、文化的にもスワヒリ語を公用語とし、アフリカ在来の言語が大きな役割を果たしている数少ない国家である。2011年の1人当たりのGNIは540米ドルとされる。2000年以降は、鉱業や観光業をけん引力として成長しているが、人口の7割補占める農業分野の成長と生産向上を最優先課題に掲げている。経常収支赤字の拡大、インフレ抑制等の課題にも取り組んでいる。

※「考えよう! アフリカの水」交流会は6月29日に横浜市国際学生会館で開催された「留学生・市民の井戸端フォーラム2013」の模様を当編集部で再構成しました。アフリカにおける支援活動の写真は、横浜市水道局のご協力をいただきました。

●横浜市国際学生会館

http://yoke.or.jp/yish/

<関連記事>

2013年(第22回)旭硝子財団「ブループラネット賞」受賞者が決定
薬に頼らないエッセンシャルオイルを活用した心のケアを提案
「裸足の大学」インドのベアフット・カレッジに学ぶこと
ジェームス・ハンセン博士(米国)、ロバート・ワトソン博士(英国)に聞く
自然エネルギーに舵を切る米国のIT企業
グローバル化時代の企業の人権リスクとは?
倫理観を基盤に、科学技術を社会に役立てる技術士
ネパール人女性登山家が公共広告に登場
横浜市の「待機児童ゼロ」が残した課題
あなたが一足の靴を買うたびに、貧しい国の子供たちに、TOMSの新しい靴が贈られる
就業時間、製品、株式の1%を社会貢献に

トップへ
TOPへ戻る