CSRフラッシュ

「あまちゃん」の舞台、岩手県久慈市がふるさと交流会を開催

震災から5年、復旧・復興からその先へ

NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地でおなじみの岩手県久慈市がこのほど東京都内で「ふるさと交流会」「PRイベント」を行った。首都圏で久慈市の魅力をアピールし、「ふるさと大使」や「地域おこし協力隊」の公募につなげ、地域振興を進めようという試みだ。

津波の被害で大きな痛手を受ける

岩手県北東部の沿岸に位置する人口約3万5千人の自治体・久慈市。先の東日本大震災では、震度5弱だったものの、巨大津波に海岸部や平地部が襲われ、死者4名(うち1名は市外)、行方不明者2名が出ました。

建築物の被災は、全壊355棟、大規模半壊89棟、半壊410棟となり、小袖海岸で前年8月に完成した『小袖海女センター』が全壊、石油備蓄久慈事業所(久慈国家石油備蓄基地)や併設する久慈地下水族科学館「もぐらんぴあ」などの施設や地域の工場・商業施設が大きな被害を受けました。

震災直後の全壊した「もぐらんぴあ」

震災直後の全壊した「もぐらんぴあ」


震災前には日本で唯一の地下水族館として親しまれた(写真はいずれも「もぐらんぴあ」提供)

震災前には日本で唯一の地下水族館として親しまれた
(写真はいずれも「もぐらんぴあ」提供)

「ふるさと交流会」を地域おこしの起爆剤に

2016年2月、「久慈市ふるさと交流会」の会場となった東京港区のメルパルク東京には、首都圏に在住する久慈市出身者をはじめ、この間、久慈市を応援するために公募された市内外の「ふるさと大使」など、多くの皆さんが集まりました。

今回のような規模での交流会の開催は初めての試みで、あいさつに立った久慈市の遠藤譲一(じょうじ)市長は、日頃の支援への感謝の言葉とともに「まだの方はぜひ一度、久慈市に足をお運びいただきたい」と今後の久慈市の復興と地域活性化への取組みへの力強い決意を述べ、全員で乾杯、久慈市の海産物・料理などに舌鼓を打ちながら、歓談が続きました。

久慈市の遠藤譲一市長

久慈市の遠藤譲一市長

サプライズゲストとしては、「もぐらんぴあ」の復興を中心に支援を続けてきた東京海洋大学 刑部真弘教授と同大学名誉博士のさかなクンが、「もぐらんぴあ」のアイドル もぐちゃんとともに登場。震災以降、何度も訪れている久慈の良さを聞かれたさかなクンが「皆さんの温かさ!」と即答するとともに、刑部教授からは「三陸沿岸は日本の重要な海資源の地域。久慈地域を拠点にこれからの日本の都市に必要な様々な先進的な取組みを行っていきたい。」と今後の構想が語られました。

東京海洋大学 刑部真弘教授(右)とさかなクン(左)

東京海洋大学 刑部真弘教授(右)とさかなクン(左)


震災後は久慈駅前で「まちなか水族館」として運営されてきた「もぐらんぴあ」にさかなクンは自宅の魚100匹近くを寄贈するほか、壁画にイラストを描くなど、さまざまに応援してきた。(写真は「もぐらんぴあ」提供)

震災後は久慈駅前で「まちなか水族館」として運営されてきた「もぐらんぴあ」にさかなクンは自宅の魚100匹近くを寄贈するほか、壁画にイラストを描くなど、さまざまに応援してきた。(写真は「もぐらんぴあ」提供)

久慈地下水族科学館「もぐらんぴあ」が再オープン!

震災から5年、「もぐらんぴあ」がようやく2016年4月23日(土)に再び元の地でオープンすることとなりました。既に鉄筋5階建の管理棟を含む施設が完成。国からの復興財源に加えて、懸案であった同館のアイドルであるウミガメの「カメ吉」を疎開先の青森県八戸市から帰郷させる輸送費用等についても、クラウドファンディングを通じた全国からの支援で目途がつき、震災前よりも皆さんに楽しんでいただける施設をと同館スタッフが着々と準備を進めています。

最新情報は「もぐらんぴあ」FaceBook

ウミガメの「カメ吉」も5年ぶりに帰郷!(写真は「もぐらんぴあ」提供)

ウミガメの「カメ吉」も5年ぶりに帰郷!
(写真は「もぐらんぴあ」提供)


久慈市の応援団になってください!
魅力を訴えて“移住・定住”を呼びかける

銀座で開かれたPRイベントは、久慈市在住の中野沙耶(さや)さんが歌う「潮騒のメモリー」で幕が開けました。連続テレビ小説「あまちゃん」で能年玲奈さんと橋本愛さんがうたったヒット曲です。

「潮騒のメモリー」を熱唱する中野沙耶さん

「潮騒のメモリー」を熱唱する中野沙耶さん


ご存知「北限の海女」のユニホームの試着ブース

ご存知「北限の海女」のユニホームの試着ブース

続いてあいさつに立った遠藤市長は、「久慈市は復興の途上にあるが、人口の減少に歯止めを掛けたい。全国から1,000名を目標に『ふるさと大使』を公募しています。また、地域を元気にする人材『地域おこし協力隊』を募集して現在7名になりました。2016年度はさらに5名を増やす予定だが、昨日の『ふるさと交流会』で2名が応募を約束してくれました。前に向かって走り続けます」と宣言しました。

会場では、郷土食「まめぶ汁」がふるまわれ、シラカバの樹液100%のドリンクや名産の琥珀の展示販売も行われました。

参加者にふるまわれた名物のまめぶ汁

参加者にふるまわれた名物のまめぶ汁

久慈市民のソウルフード「らーめんの千草」が全国に。

久慈市内にある名店「らーめんの千草」の看板メニュー「しょうゆらーめん」が2016年2月29日から明星食品(株)からどんぶり型カップ麺として全国発売されました(小売価格218円)。このカップ麺は復興支援の一環として企画・販売され、収益の一部は久慈市に寄付されます。

久慈市-カップ麺2

この日の司会は、2015年5月に久慈市に移住し、6人目の「地域おこし協力隊」となった元劇団員の藤織ジュンさんが務めました。藤織さんは北限の海女観光PR隊としてSNSなどで北三陸の魅力を配信しています。12月に住民票も久慈市に移したそうです。

久慈市は、首都圏などからの移住・定住も呼びかけています。移住・定住の希望者には空き家のあっせん、就農や起業に関する支援や医療費給付の助成も行っています。

「あまちゃん」以来の久慈市ファンだという埼玉在住の男性は、「これまで20回ほど久慈市を訪問し、久慈市の豊かな自然や人々のやさしさに触れ、ますます好きになった」と語っていました。(2016年3月)

移住・定住もPR

移住・定住もPR

お問い合わせは
岩手県久慈市総合政策部地域づくり振興課

TEL0194-52-2111(代表)
E-mail :matizukuri@city.kuji.iwate.jp(お問い合わせはこちらで)http://www.city.kuji.iwate.jp/kouryu/index.html


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