企業とNGO/NPO

ヒルトンとNPOが協力し、千葉の養護施設に遊具を設置

世界的ホテルグループ ヒルトンの企業責任活動から

世界103カ国で5,000軒以上のホテルを展開するヒルトングループ。このほど企業責任活動の1つとして、ヒルトンのリージョナル・オフィスの従業員98名とNPOプレイグラウンド・オブ・ホープが協力して、千葉県にある児童養護施設 一宮学園に遊具を設置しました。学校から帰ってきた施設の子どもたちに大きなサプライズとなりました。
[2017年10月30日公開]


ヒルトン1

子どもたちの笑顔をイメージし、7時間かけて遊具を組み立て

10月13日金曜日。この日はあいにくの雨模様となりました。朝9時半にヒルトンおよびヒルトンへの投資会社エリオットの従業員など総勢98名とともに、NGOプレイグラウンド・オブ・ホープのメンバーが児童養護施設 一宮学園(千葉県長生郡、園長蛭田清彦さん)のグラウンドに集合しました。

この日、製作するのは大きな木製複合遊具とスプリング遊具、それにベンチとピクニックテーブルです。作業は各遊具のパーツを現場に運び込むことから始まりました。指示書に従って現場にパーツを並べて確認すると、いよいよ組み立てです。

ティモシー・ソーパーヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区 運営最高責任者

ティモシー・ソーパー
ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区 運営最高責任者


ヒルトン3

ヒルトンの従業員は、プレイグラウンド・オブ・ホープの仲間から不慣れな電動工具の使い方などを教わり、パーツのねじ締めなどに汗を流します。時間の経過とともに組み立てが進み、やがて全体像が見えてきました。

完成したのは午後5時。参加しただれもにやり遂げたという安ど感が広がっていきました。スタートから7時間以上が経っていました。ちょうどその頃、施設の子どもたちが学校から帰ってきました。「わあっ」という驚きをともなった歓声とともに、遊具に駆け寄っていきます。

全員で記念写真を

全員で記念写真を


NPOとの連携で日本各地に遊具を設置

プレイグラウンド・オブ・ホープは、東北大震災の支援を目的に2012年に設立されたNPO。これまでに宮城県石巻市の仮設住宅などで遊具の設置を進めてきました。

ヒルトンとの協力活動は、今年で4年目。ボランティアと地域社会をつなぎ、子どもたちが遊べる場所、そして大人たちが集える「希望の遊び場」をつくる活動を続け、これまでに清瀬市(2014年)、木更津市(2015年)、立山市(2016年)、一宮市(2017年)にある児童養護施設で、遊具を設置してきました。

一宮学園への遊具設置が決まったのは、ヒルトングループとプレイグラウンド・オブ・ホープが協力して始めたヒルトンの「機会の創出」プログラムで、一宮学園の生徒がヒルトンのインターシップの取り組みに参加したことがきっかけでした。

この日は、ヒルトンによってBBQの準備も行われました。遊具の完成を祝って、一宮学園の生徒125名とボランティア参加者一同が準備されたローストビーフや暖かいクリームシチュー、ヒルトン東京から持ち込まれたチョコレートファウンテンなどのご馳走に舌鼓を打ちました。

ヒルトン4A
ヒルトン4B

今回の遊具設置に関わった関係者からは以下のようなメッセージが寄せられました。

ティモシー・ソーパー
ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区 運営最高責任者

ヒルトンは、企業責任活動であるTravel with Purpose (意義ある旅)の活動を推進するため、毎年10月にボランティア活動の強化期間であるGlobal Week of Service(世界サービス週間)を実施しています。NPOプレイグランド・オブ・ホープとは、2014年から一緒に取り組みを行っています。今年は、エリオット・アドバイザーズ(アジア)とともに、遊具を千葉の児童養護施設 一宮学園に設置しました。日本で50年以上も事業を展開しているヒルトンは、地元地域に温かな光とおもてなしの気持ちをもたらすことに専念します。

中藤 博文
エリオット アドバイザーズ アジア リミテッド 在日代表)

ヒルトンおよびプレイグラウンド・オブ・ホープと協力して遊具を設置し、地元地域に対してプラスの影響を与え続けられていることをうれしく思います。支援を必要としている子どもたちに援助を続け、安全で楽しく暮らせる環境を提供し続けたいと思います。

マイケル・アナップ
NPOプレイグラウンド・オブ・ホープ 代表理事

幼児期の発達において、遊ぶということはとても重要です。遊ぶことによって、子どもたちの認識能力、身体能力、社交性、精神的安定などに大きな影響を与えます。ところが、現代の子どもたちは、遊ぶ機会が少なくなっています。ヒルトンの取り組みをとおして、多くの子どもたちに、意義のある影響を与えることができます。

マイケル・アナップNPOプレイグラウンド・オブ・ホープ 代表理事

マイケル・アナップ
NPOプレイグラウンド・オブ・ホープ 代表理事

蛭田 清彦 
社会福祉法人 児童愛護会 児童養護施設 一宮学園 園長

プレイグラウンドホープ、ヒルトン、エリオットの皆様のご協力のもと、立派な遊具を設置していただき感謝しています。また、おいしいローストビーフやシチューに加え、デザートのチョコレートファウンテンまで用意いただき、子どもたちも大満足でした。小雨も降る中、大変な作業だったと思いますが、出来上がったものを見た瞬間、どの子も目を輝かせていました。子どもたちに代わって御礼を申し上げます。

蛭田 清彦 社会福祉法人 児童愛護会 児童養護施設 一宮学園 園長(一番右)

蛭田 清彦 社会福祉法人 児童愛護会 児童養護施設 一宮学園 園長(一番右)


日本企業と一味違うヒルトンの企業責任活動

ヒルトンがTravel with Purpose(意義のある旅)と呼ぶ企業責任活動(CR)は、「機会の創出」「コミュニティーの強化」「環境保全」の3つの柱からなっています。日本企業にはないユニークな活動なので、あらためて紹介します。

機会の創出

・2019年までに100万人の若者に対してポジティブな影響を与えることを目標とした「オープンドア」という取り組みを実施中

・従業員の人材育成、未来に向けたキャリアパスの提示

・今年から日本では、ヒルトンのリージョナル・オフィスと、ヒルトン東京およびヒルトン東京ベイと協力して、18歳になったら独り立ちをしないといけない養護施設の子どもたちをインターンとして招き、働くこと、ホスピタリティー業界のことを教えるセッションを実施。5月に1日授業、8月に1週間のインターンシップ、来年は有給のインターンシップを実施する予定。最終的には、正社員採用の可能性もあり

コミュニティーの強化

・地元の方々の雇用、トレーニングの実施、ボランティアおよび災害時の支援などを通じ、地域のエコシステムの成長のサポート

・Travel with Purposeおよび地元のボランティア活動の強化月間として、Global Week of Service(世界サービス週間)を実施

環境保全

・ホテルで消費されるエネルギー資源および廃棄物の削減の評価ツールLight Stayの導入

・フカヒレの提供禁止

・ソープリサイクリング(客室で使われた石けんの回収・再生と発展途上国における再分配)

なお、ソープサイクリングは石けんのリサイクルプログラムで、社会企業クリーン・ザ・ワールドおよび他の団体と提携して、ホテルで使われた石けんを回収し、回収した石けんを、400万個以上の新しい石けんに再生処理して、途上国の衛生支援などに役立てるもの。廃棄物の量も570トン以上削減しているとのこと。提携リサイクル団体は石けんの供給に加えて、衛生と手洗いの大切さを啓蒙する活動を実施している。

詳細はhttp://www.businesswire.com/news/home/20161017005584/ja/

エクアドルの病院を訪れて再生石けんを寄付するヒルトンの取締役社長兼最高経営責任者クリストファ J. ナセッタ

エクアドルの病院を訪れて再生石けんを寄付する
ヒルトンの取締役社長兼最高経営責任者クリストファ J. ナセッタ


ホテルでの石けん分別の様子

ホテルでの石けん分別の様子

●本件に対するお問い合わせ: 株式会社バーソン・マーステラ (木原・藤嶋)

HiltonJP.PR@bm.com


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