国内企業最前線

テックマークジャパンの意識調査から「家電は修理して大切に使いたい」

20〜60 代の 6 割が「修理する権利」に期待

日本国内で家電の延長保証プログラムのコンサルティングと運営を行うテックマークジャパン㈱(東京都墨田区 代表取締役社長:将積 保博)。米国で家電の「修理する権利」法案が可決したのを受け、このほど全国の 20 ~60 代 400 名を対象に、家電の修理に関する意識調査を実施しました。調査結果とともに、故障が疑われる際の正しい対処方法についても聞きました。(2022年1月26日公開)


欧米で広まる「修理する権利」とは

「修理する権利」は、家電などの製品が故障した際に消費者が自らもしくは製品を販売するメーカー以外の専門店を介して修理する権利を確保しようとするもの。欧米を中心に関心が高まっており、2021 年 7 月 に米国で「修理する権利」を認める法案が可決されました。

ただ、「修理する権利」 を認めることで、消費者自身が修理に必要な工具、部品、情報などを自由に入手できるようになり、メーカーを介さずとも修理できるようになる一方で、消費者自身が製品を修理するのは危険であり、新たなリスクにさらされる可能性もあるとして反対の声も出ています。

今回の調査は、昨年7月に米国で「修理する権利」を認める法案が可決されたのを受け、その直後の9月に日本国内で行われ、このほど結果が公表されました。


「修理する権利」の認知度は日本で1 割未満
「修理する権利」 に期待する声は 6 割にも

欧米で関心が高まっている「修理する権利」の認知度は、日本では 8.8%と、1 割にも満たない結果になっている(図1)一方で、今後日本での「修理する権利」の発展に「とても期待する」 「やや期待する」との回答は合計で 61.5%の結果になりました。(図 2)

「修理する権利」に期待する理由の上位には、「自分で修理したいから」(39.4%)、「重要な権利だと思うから」 (38.6%)、「環境の観点から」(35.8%)がランクインしました。一方、期待しない理由の上位には「危険だと思うから」(40.3%)、「メーカー保証が優れていると思うから」(31.8%)、「自分と関係がない・興味がないから」(31.2%)がきています。(図 3) 消費者・エンドユーザーの中には自分で修理することに対する関心の高まりが感じられます。


「出来るだけ長く(寿命いっぱいまで)使用したい」は 9 割
「プロに相談・修理を依頼する」は約半数にも

「一度購入した家電は出来るだけ長く(寿命いっぱい)使いたい」と回答したのは 9 割という結果に。(図 4) 大半の人が家電をできるだけ長く使いたいと感じていることが分かりました。 一度購入した家電を出来るだけ長く使いたい理由としては、72.5%が「コスト削減のため」と回答。また、 57.5%が「買い替えの煩わしさをさけるため」、43.3%が「エコの観点から」と回答しました。(図 5)

家電が壊れたときに最もよくする行動として、「プロに相談・修理を依頼する」が 50.3%で最も多く、次いで「廃棄する」との回答が 25.5%となりました。(図 6)現状は一度購入した家電を出来るだけ長く使用するために、プロのサポートに頼っている人が多いことが明らかになりました。一方で、22.5%が「自分で修理する」と回答しており、「修理する権利」の認知度が 1 割にも満たない日本でも一定数がご自分で修理を行いたいという意思を持っていることが判明しました。

また、「廃棄する」と回答した人の半数が家電を捨てることに「(後ろめたさを)感じる」(50.0%)と回答。 (図 7)修理すればまだ使えるかもしれない家電を修理せずに廃棄してしまうことに対し、ためらいを感じる人と感じない人がほぼ同数と、意見が分かれました。


「自分で家電を修理した/しようとした理由」の 第 1 位は
「修理費用を抑えるため」

「自分で家電を修理した/しようとした経験」について質問したところ、経験がないという回答が 59.5%と多数派であることが分かりました。(図 8) 「自分で修理しない/しなかった理由」として最も当てはまるものの 1 位は「プロに任せた方が安心・ 安全だから」(39.5%)、2 位は「逆にもっと壊れてしまいそうだから」(38.7%)という結果になりました。(図 9)

また、「自分で修理した/しようとした」経験がある人に理由を尋ねたところ、最も当てはまる理由として「修理費用を抑えるため」という回答が 54.9%という結果になりました。(図 10)

今回の調査結果で、家電の故障が疑われる際の消費者・エンドユーザーの行動傾向が明らかになるとともに、欧米で関心が高まる「修理する権利」が日本においても広がる可能性が見て取れます。

テックマークジャパンは、「延長保証制度事業を通じて“つくる責任 つかう責任”(SDGs 12)を意識し『環境保全』に取り組み、お客様および関連パートナー企業の皆様に最適な延長保証サービスの企画設計・運営を継続するとともに、消費者・エンドユーザーの皆様が安心・安全に製品を使い続けられるよう情報提供に努めたい」と語っています。


故障かな?と思ったときの正しい対処方法とは
総合家電エンジニアがアドバイス!

Q故障かな?と思ったときに、まずすべきことは?

A不具合に気づいた時点で使用を停止します。続いて、商品を購入した販売店やメーカーサービスに相談し、指示に従いましょう。決してご自分で分解などは行わないようご注意ください。予期せぬ事故につながる恐れがあり、分解した経緯が確認された時点で、メーカーサービスの修理実施が中止され、それ以降のアフターサービスを受け付けてもらえなくなることもあります。

Q家電が壊れたかもしれない?そのまま使い続けるリスクは?

A仮に、それまで聞こえたことのない音がしたとしましょう。その時点で、商品を購入した販売店やメーカーサービスに相談しましょう。商品を購入した販売店やメーカーサービスに連絡をすることなく使用を続けていると、やがてその不具合がさらに広がる可能性があります。最初の時点で相談をしていれば、部品Aのみを交換することで解消できたものが、使用を続けたことによって部品B、部品C、部品Dまでの交換が必要となってしまうリスクがあります。

Q自分で修理したい!自己修理のリスクとは?

A家電商品を一般消費者が修理することは御法度と認識しましょう。一般消費者が自ら組み上げることのできる自作パソコンは、故障箇所をご自身で診断のうえ部品交換を行う場合もあるかと思いますが、エアコンや冷蔵庫、テレビやブルーレイレコーダーなどの家電商品は部品入手が困難であり、かつ取扱説明書やメーカーホームページでは商品の分解や修理を行わないよう案内しています。予期せぬ事故につながる恐れがあるほか、分解した経緯が確認された時点で、メーカーサービスの修理実施が中止され、それ以降のアフターサービスを受け付けてもらえなくなることもあります。なお、日々の点検などに必要とされる部品やフィルターなどの消耗部品については、取扱説明書に従って交換してください。

この回答は、テックマークジャパン㈱業務部でクレームチーム チーフ
総合家電エンジニアの本多 宏行さんからいただきました。

※なお、本記事における「修理」とはメンテナンスを除く、故障・不調・破損時における修理を指します。

テックマークジャパン株式会社
URL: https://www.techmark.co.jp/
会社概要 所在地:東京都墨田区錦糸 1-2-4 アルカウエスト
資本金:4 億 9,000 万円 代表取締役社長:将積 保博
株主:AIG ジャパン・ホールディングス株式会社(100%)
主な事業:各種延長保証制度のコンサルティングと運営

テックマークジャパンの親会社であるAIG グループは、世界の保険業界のリーダーであり、約 80 の国や地域で損害保険、生命保険、退職給付およびその他の金融サービスを幅広く提供しています。

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