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ユニ・チャームの「世界環境デー」 における調査から
日々の暮らしに欠かせない日用品だからこそ、「サステナブルを心がけたい」と7割が回答衛生用品の大手メーカーであるユニ・チャーム株式会社は、6月5日の「世界環境デー」に合わせ、20代~60代の男女1,500人を対象に「日用品とサステナブル意識・行動」に関するアンケート調査を実施。このほど調査結果を発表しました。[2024年6月9日公開]
※風力や太陽光、バイオマス、小規模水力などの自然エネルギーや再生可能エネルギーで発電された電力のこと。
生理用品・ペット用品・育児用品・介護用品・軽失禁用品の利用で
7割の皆さんがサステナブルな行動を意識
6月5日の「世界環境デー」に向けて、ユニ・チャームは、日用品に関するサステナブル行動を探る調査を行いました。それによれば、生理用品・ペット用品・育児用品・介護用品・軽失禁用品などの日用品の利用においても、サステナブル/持続可能性を考慮した行動をしている人が7割を占めました。
全体ではキッチン用品がトップで19.8%。、衛生用品の5カテゴリー内では、介護用品がトップの約15%となっています。
主な調査結果
1. 「サステナブル/持続可能な生活に関心がある」、日常的に「介護用品(大人用おむつ)」を購入している層が約6割でトップに。
⚫ 日常的に購入する日用品カテゴリー別でみると、「介護用品(大人用おむつ)」を日常的に購入している層の約6割が「関心がある※1」と回答し、日用品5カテゴリーを日常的に利用/購入している層の中で最も高い割合となりました(表1)。
⚫ 「介護用品(大人用おむつ)」を普段から利用/購入している層のサステナブル意識の高さは介護用品のサイズが関連していると推察します。子供用おむつよりも大きいため、廃棄時の量も多くなることから、環境負荷を意識する方が多いと考えられます。
※1:「関心がある」「やや関心がある」の合計
2. 約7割が「生理用品」「育児用品(子供用おむつ)」「介護用品(大人用おむつ)」「ペット用品」「軽失禁用品・用具(吸水・尿モレパッド)」について、「サステナブル/持続可能な生活を目指し、選び方・使い方・捨て方などを考慮した行動をしたいとは思う※2」と回答。
一方で「生理用品」「育児用品(子供用おむつ)」「ペット用品」ですでにサステナブルな行動をしている方は1割未満に。
⚫ 「サステナブル/持続可能な生活を目指し、選び方・使い方・捨て方などを考慮して行動しているか」を質問したところ、「したいとは思う※3」と回答した方は「ペット用品」71.0%、「生理用品」70.3%の衛生用品が日用品全体の中で上位となりました(表2)。
また、「育児用品(子供用おむつ)」68.7%、「介護用品(大人用おむつ)」66.0%、「軽失禁用品・用具(吸水・尿モレパッド)」69.3%の衛生用品3カテゴリーについても、約7割にのぼる結果となりました(表2)。
上記の衛生用品について、多くの方がサステナブルな意識はあるものの、何をしたらいいのかわからないと感じていることがうかがえます。
⚫ 「介護用品(大人用おむつ)」について「すでにサステナブル/持続可能性を考慮した行動をしている」と回答した日常的に介護用品を利用/購入している方は14.7%で(表2)、「生理用品」「育児用品(子供用おむつ)」「介護用品(大人用おむつ)」「軽失禁用品・用具(吸水・尿モレパッド)」「ペット用品」の5カテゴリー内で最も高い結果となりました。
一方で、「生理用品」8.0%、「育児用品(子供用おむつ)」9.7%、「ペット用品」7.7%については1割を下回る結果となり(表2)、実際にサステナブルな行動に移すことへのハードルの高さがうかがえます。
⚫ 「すでにサステナブルな行動をしている」の割合が高かったのは「シャンプー・コンディショナー・ボディケア用品」21.6%、「キッチン用品」19.8%となり(表2)、詰め替え用品や繰り返し使える商品など、手に取りやすいサステナブル商材が多いためと推察します。
※2 ※3:「まだしていないが、今後していきたい」「したいとは思うが、難しそう(何をしていいかわからない)」の合計
3. 「サステナブル/持続可能な生活」について、「商品の価格はあげてほしくない」「無理なく、自分ができそうなことから取り入れていきたい」が上位となり、価格に対する懸念と、行動に対するハードルの低さを重視する結果に。
⚫ 「サステナブル/持続可能な生活」についての考えを質問したところ、「商品の価格はあげてほしくない」42.0%、「無理なく、自分ができそうなことから取り入れていきたい」41.7%が上位となり(表3)、環境対応のためには、価格や行動に対する負担の少なさを重視することが明らかになりました。
⚫ 「お金がかかりそう」について年代別にみると、「30代」の方は35.6%で他年代の中で最も多い結果となりました(表4)。
⚫ 「育児用品(子供用おむつ)」を日常的に利用/購入している層は「サステナブル/持続可能な生活」について「お金がかかりそう」35.0%となり(表5)、他5商品を利用/購入している層よりも価格について懸念している姿勢がうかがえます。上記の結果から、特に育児に関わる方や世代は「サステナブル/持続可能な生活」について、価格を重視することが推察されます。
4. 「世界環境デー」の認知度は35%程度にとどまり、女性よりも男性の方が認知度は高い傾向。
⚫ 「世界環境デー」についての認知度は35%程度にとどまり、「知っている※4」と回答した方は5.9%で、内容まで知っている方は少ない結果となりました(表6)。
⚫ 男女別に結果をみると、「知っている※5」は男性45.6%、女性29.9%で、男性の方が「世界環境デー」の認知度が高いことがわかりました。
※4 ※5:「知っている」「名前を知っている程度」の合計
今回の調査により、多くの方が「生理用品」「育児用品(子供用おむつ)」「介護用品(大人用おむつ)」「軽失禁用品・用具(吸水・尿モレパッド)」「ペット用品」などの衛生用品についてサステナブルな意識があり、「サステナブルを考慮した行動をしたいとは思う」と考えているものの、何をしたらいいのかわからないと感じていることがわかりました。
この結果を受けて、特に衛生用品の使い心地と、サステナブル/持続可能な生活を両立する暮らし方や商品を提案していきたいとユニ・チャームは考えています。
このためユニ・チャームでは、6月5日の「世界環境デー」に合わせて、サステナブルキーワード「えらぶ、つかう、めぐらせる」を提唱し、同社のサステナブル活動の紹介やゴミを減らす商品の使い方等を紹介するWEBサイトを公開いたしました。
ユニ・チャームのサステナブルキーワードは
「えらぶ」「つかう」「めぐらせる」
調査の背景
1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念し、国連が定めた「世界環境デー」。この「世界環境デー」をきっかけに、改めて日用品に関するサステナブル行動の現在地と、メーカーとして取り組むべき課題について明らかにするため、本調査を実施。
調査の概要調査の概要
調査対象者:全国の男女20~60代。生理用品(ナプキン・タンポン・月経カップ等)/育児用品(子供用おむつ)/介護用品(大人用おむつ)/軽失禁用品・用具(吸水・尿モレパッド)/ペット用品(ペットフード・トイレシート・猫砂等)を日常的に購入している人、それぞれ300名。合計1,500名に調査を実施。
調査期間 :2024年5月10日(金)~5月13日(月)
調査方法 :インターネットによるアンケート調査
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