アースデイ東京2011「アースデイトークステージ」からPart 1:未来の子どもに内部被ばくの影響を与えない

未来バンク事業組合 田中優

食べ物と飲み物への対処法

対策をいくつか伝えます。まず水。東京では水道水に一時210ベクレルの数字が出ました。そのあと、みんながミネラルウォータを購入したため、水が品切れになりました。これには対策があります。1リットルの水に1グラムの炭を砕いてガーゼの中に入れて水の中に入れて1晩置きます。1晩経ったら炭は捨ててください。残った水を使ってください。厚生労働省のホームページにも出ています。これでヨウ素は100%取れます。

当初汚染された牛乳が出ましたが、いまは出ないでしょう。おかしいと思いませんか。ニュースによれば、現在は牛乳をブレンドしているそうです。濃い地域の牛乳と薄い地域の牛乳をブレンドして測って出すそうです。牛乳は少しずつ汚染されたものが入っている可能性があります。

食べ物についてはこれまでは放射能の安全基準はありませんでした。チェルノブイリのときに輸入食品のみ370ベクレル以下という基準がありましたが、国内のものにはありませんでした。今回の事故で、500ベクレルから2,000ベクレルというむちゃくちゃ緩い基準を出してきました。なぜ基準がなかったか。日本の原子力発電所は絶対に事故を起さないからです。実際に事故が起きたら、日本の基準をさらに甘くしたわけです。

飲み物の基準はいま300ベクレル以下ですが、WHO世界保健機構の基準は10ベクレル以下です。これに対してあれは緊急時のものではないという解説がありますが、緊急時にしか放射能は出ません。10ベクレルそのものが緊急時の基準なのです。

アメリカの基準は0.1ベクレルです。日本人の方がアメリカ人よりも3000倍も放射能に対する対応力があるということでしょうか。この甘い基準を放置すれば、日本人自身が国産品の安全性を信じなくなると思います。有機無農薬だとか地産地消とかをやってきましたが、その努力が無になる可能性があります。

飲み物と食べ物以外で、身体の中に5.5倍も入れているものがあります。空気です。空気に気をつける必要があります。まず、花粉用のマスクをして欲しいのです。放射能はチリにくっつくという性格があります。チリにくっついて飛んでいきます。マスクの内側に濡らしたガーゼなどを入れるとさらに効果的です。

[Part2につづきます]
◎Part 2:自然エネルギーへの転換は夢物語ではない
http://csr-magazine.com/2011/05/04/analysts-earthday2011-part2/

※2011年4月24日、「アースデイトークステージ」田中優氏による講演をベースに原稿化しました。文責は当編集部にあります。

田中優氏プロフィール
反原発の立場で活動を続ける文筆家。主な肩書きには、未来バンク事業組合理事長、非営利組織「ap bank」監事。その他、日本国際ボランティアセンター理事、揚水発電問題全国ネットワーク共同代表、自然エネルギー推進市民フォーラム理事、足元から地球温暖化を考える市民ネット理事など。坂本龍一や桜井和寿ら環境問題に取り組む音楽家との交流も多い。福井県立大学非常勤講師、和光大学非常勤講師、大東文化大学非常勤講師。

[関連記事]
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◎フクシマがドイツの世論を変えた!
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http://csr-magazine.com/archives/analysts/rep24_01.html

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