国内企業最前線

熱中症の季節が終わっても、水分補給は忘れずに。

大塚製薬20年にわたる水分・電解質補給啓発活動

スポーツ界への地道な熱中症予防啓発活動
Q2 現在に至るまで、大塚製薬の営業・販促活動は、各分野で熱中症問題を正しく理解いただく、科学的データを提示しながらの啓蒙活動が主体だと伺っています。

延命:当社の製品を理解して納得していただき、それぞれの生活シーンにあった形で使って健康に役立てて欲しいと考えています。最近になって一般の方にも水分補給の大切さが浸透してきましたが、ここに至るには、かなりの時間とエネルギーがかかっています。

熱中症問題について専門家は古くから問題視し、日本体育協会は既に1991年には「熱中症を知って防ぐ活動」を始めました。同協会に協力する形で当社も熱中症予防啓発活動を開始し、熱中症予防のための小冊子を作成に協力するほか、アスリート、指導者、さらにはジュニア世代のアスリートにも水分補給の重要性をお話する説明会などを現在も続けています。

大塚製薬が活用している日本体育協会、中央労働災害防止協会等の熱中症予防小冊子

Q3 一般の人はまだまだ、単に水分を摂ればよいと思いがちです。

延命:熱中症が叫ばれる中、この1年ほどの間に初めてイオン飲料を飲まれた方も増えたという統計があります。汗で失われるのは水だけでなく、ナトリウムなどの電解質(イオン)も失われます。よって、汗をかいた時、水ばかりだけを飲むと逆に体液が薄まり、脱水症状が進みます。これは自発的脱水と呼ばれています。では、お茶なら良いかというとお茶にはカフェインが含まれるためにマイナスに働く場合があります。また、ビールなどのアルコール飲料も口当たりはよいものの、かえって脱水症状を促進すると言われています。

水分補給は糖を含む食塩水が最も吸収されやすいといわれています。政府機関の厚生労働省や環境省は適切な水分補給として、100ml中に40~80㎎のナトリウムを含む飲料をお勧めしています。さらに日本体育協会は、運動中にはさらに4~8%の糖質濃度が良いとしています。糖質が入ると水分を細胞の中に吸収しやすくなるのです。水分補給としての飲料を選ぶ際には、ナトリウムや糖質の量を確認してもらうように説明しています。

また、当社では運動と栄養に関する研究を、長年にわたり当社の佐賀栄養研究所で研究を続けており、昨年もイオン飲料を用いた2つ新しい研究成果を発表しています。

Q4 日本サッカー協会でも昨年から試合中に選手がイオン飲料をピッチで摂取することが認められたとか?

延命: 国際サッカー連盟(FIFA)では以前から認められていましたが、日本サッカー協会ではルール上、選手が試合中にピッチ上で水以外の液体を摂取することが禁じられていましたが、2010年からルール変更がなされました。

Q5 スポーツ界のような専門分野でも電解質を取ったほうがよいといったことが認められるまでには時間がかかったわけですね。

延命:冒頭に申し上げたように、熱中症という言葉自体が一般的になったのはこの1~2年ですから。当社も長年にわたり啓蒙活動に取り組んできたわけですが、当初は「メーカーが製品を売らんがためにやっているのでは?」という誤解もあったかもしれませんが、多くの方々のご協力により、スポーツ界や一般の皆さんにも脱水症状時のイオン飲料補給の有用性が徐々に浸透してきていると感じています。ただ、今や急速に熱中症に対する理解は広まってきました。

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