CSRマガジン特別編

3.11から今日まで、そして2012年へ心を繋ぐ「東北グランマのクリスマスオーナメント」

人と人の思いを繋ぎ、拡がっていったグランマオーナメント

グランマオーナメントはトータルで約25,000セット、全国各地で、デパートをはじめ、プロジェクトを知った日本全国の小売店舗や個人の方から販売に協力いただいた。

特に阪神大震災を経験した神戸では当初から積極的に販売協力を申し出ていただく企業が相次いだ。例えば大丸神戸店では、あらかじめ店内従業員がオーナメントの趣旨を理解するためにオーナメントを従業員自身が購入した130個以上のオーナメントが8本のクリスマスツリーに飾られ、店内7カ所に飾られた。

大丸神戸店舗内に飾られた東北グランマオーナメントツリー。実際に店舗で購入した際、従業員スタッフから丁寧に東北グランマオーナメントの主旨を説明されて感激したメンバーも。

また、プロジェクトを知った各企業が独自のアイデアを出し、支援を行うケースも相次いだ。
都内のアトレ上野店はオーダーメイドで南三陸のお母さんたちにオーナメントづくりを発注し、クリスマス期間中の上野駅中央改札前の上野駅グランドコンコースに巨大ツリーが飾られた。さらにアトレ上野店は11月には大指グランマ7名を東京に招き、自社の会議室で各テナント従業員を対象に交流会「東北グランマとつくるクリスマスオーナメント」を行った。オーナメントを作ることが目的ではなく、一人ひとりのグランマから被災地の状況を聞いてほしいとの店長の願いどおり、オーナメントづくりを通じてグランマと自然と交流し、終わった頃には涙ぐむ従業員も多く見られた。このイベントは販売目的ではなく外部に告知されることもなかったが、テナント従業員の意識向上にもつながる、まさしくCSR(企業の社会的責任)活動だと感じる。

上野駅グランドコンコースツリー

上野アトレ店テナント従業員との交流

 イタリアの自動車メーカーFIAT社も当初から東北グランマプロジェクトを支援した企業の一つだ。サンプル商品段階からショールームでのイベントで紹介し、都内で運営するFIAT CAFFEにはグランマへのメッセージとともにオーナメントが飾られた。プロジェクトをきっかけに陸前高田のグランマたちと直接に交流を深め、独自のアイデアで被災地の現状を知らせ続けている。

FIAT CAFFE店舗ツリーに飾られたメッセージカード

FIAT CAFFE店舗に飾られた陸前高田グランマポスター

東北グランマオーナメントは有志の人々の力で米国など海外でも販売された。プロジェクトを知ったモリサワの有志の方を通じてロードアイランド州のデザインカレッジで販売したクリスマスイベントでは、学生や参加者が数多くのメッセージを寄せ、さらに全てのメッセージの原文を英訳し100頁近い本にまとめたものが日本にプレゼントされた。 

何かしたいという思いだけで作られた世界に1冊の本が海を渡って東北グランマに届けられた

ドイツ大使館からも、東北グランマにオーダーメイドのオーナメントが発注され、美しいクリスマスツリーとして飾れた。

ドイツ大使館 クリスマスツリー

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