CSRフラッシュ

震災を乗り越えて未来へ

南三陸町ジュニア・リーダーと首都圏中高生たちが交流

国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンは、このほど震災被災地の宮城県南三陸町から14名の中高生を東京都内に招き、首都圏を中心とした5つの青少年団体との交流イベントを開催しました。若者たちの交流を通じて何が見えてきたのか、当日の模様をレポートします。

いつかまた。参加者全員で記念写真


社会とつながる若者たちの底力
 
東日本大震災で大きな被災に遭った各地の避難所では、炊き出しや幼い子供たちの世話をする中高生たちの姿が数多く見られました。その多くは、日頃から地域活動を行ってきたジュニア・リーダーたち(子供会の活動で指導的役割を担う中高生)です。

震災発生後、被災地以外でも中高生たちが被災地支援のための活動に立ち上がるなど、大きな力を発揮しています。

この日、交流イベントに参加したのは、宮城県南三陸町のボランティアサークル「ぶらんこ」のジュニア・リーダ―14名のほか、ユースプロジェクトすぎなみ(杉並区)、富士市子供会世話人会(富士市)、横浜市青少年交流センター(横浜市)、伊勢原ジュニア・リーダーチーム(伊勢原市)、四谷ひろば(新宿区)の計6団体からの約40名。どのような交流が生まれたでしょうか。

PART1.The POWER we share ワークショップで考えよう
 
会場に入ると大きなテーブルが8つ。それぞれのテーブルに全員がばらばらに5人ずつに分かれて座りました。始まったのは「貿易ゲーム」。グループごとにA〜Hの8つのチーム(仮想国)に分かれ、与えられた道具を使って製品をつくり、マーケットに売って獲得した金額を競うというゲームです。

初めて知り合った若者たちが自己紹介をし、気後れすることもなく一緒に道具を使って「丸」や「四角」の製品をつくっていきます。

ゲームを通じて明らかになるのは、国ごとに与えられた道具が異なること。ある国にはハサミがあるが定規がないとか、紙はあるがハサミはないといったことが次第に分かってきます。なかには、NGOのスタッフからの支援もあったりします。また、途中からは子供たちも知恵を働かせて、国ごとに道具の時間貸しやお金による道具の貸し借りも始まります。

ゲームが終わって集計すると、最高得点の国が215,000円だったのに対し、少ない国では26,000円というのもあったりして、いかに置かれた条件によって厳しい競争を余儀なくされるかが明らかになっていきます。

貿易ゲームで明らかになったこと

貿易ゲームは、私たちが暮らす社会の鏡であると同時に、先進国と途上国の関係をも現しています。たとえば、子供たちに与えられた紙は資源、ハサミや定規を技術だとすれば、資源があっても技術がない、逆に技術はあるが資源はないといった各国の国情によってさまざまな差別や社会問題が生まれてくることを暗示しています。

なかには、特定のブランド力という評判で勝負する国もあったりして、新たな不公平も生まれてきます。また、ゲームの途中で突然、製品の価格が変わるなど、為替の変動や貿易の不公正といった問題も登場してきます。

貿易ゲームで社会を知る

「理想の社会」を考える

ワークショップを通じて社会の不条理を学ぶと同時に、次は「理想の社会」についても考えるコーナーが登場しました。チームごとにディスカッションを行い、自分たちが大人になったときにこんな社会にしたいという目標を次々にあげていきます。

「好景気」「最低賃金千円」「トップがコロコロ変わらない」「学費免除」「自然エネルギーの活用」などなかなか鋭い視点が目につきました。ワークショップでは、次に自分たちができることについてもアイデア出しが行われました。

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