企業とNGO/NPO

震災から1年半、今こそ企業とNGO/NPOは連携を[第2回] 顔の見える関係づくりを

義捐金・物資の支援に続いてボランティア

㈱ブリヂストン ブランド推進部社会活動課 齋藤景介さん

ブリヂストンの齋藤景介さん

斎藤:私どもはタイヤの会社ですが、馴染みのあるのは自転車やゴルフクラブかもしれませんね。そちらはグループ会社でやっています。社会活動とブランド推進という組み合わせはちょっと珍しいかもしれませんが、社会活動をとおしてブランドの価値を高めようということで進めています。私自身は福島県の相馬市の出身で、震災のときは実家も大変でした。

山本:ボランティアを送るタイミングがものすごく速かったですね。

斎藤:CSRは経営そのものという考え方でやっています。いま情報公開やら品質やら環境といった22の課題を掲げておりまして、社会活動というところでは「地域社会への発展の貢献」「交通安全への寄与」「環境貢献」「従業員の社会活動へのアプローチ」の4つを掲げています。震災が起きる前から従業員の社会活動への参加の仕掛けづくりをやってきました。震災をきっかけに具体的な活動でサポートができました。

震災の直後は義捐金や支援物資をどうするかという話でしたが、2〜3週間でその方向性が固まりました。その後、従業員からボランティアに対する問い合わせが入るようになり、経営陣からもどうするかという話がありました。当時はピースボートの活動を知らなかったので、岩手、宮城、福島の各自治体に電話をし、宮城県の岩沼市が唯一受け入れるということでした。有志で現地調査をしましたが会社全体だと受け入れがどうなのか悩んでいたところで、ピースボートさんを知ることになりました。

山本:最初の派遣は確か5月でしたね。

斎藤:岩沼市に行ったのが4月中旬で、ピースボートさんと一緒に始めたのは5月からです。

山本:現地の受け入れや安全面の心配についてはどのように克服されましたか。

斎藤:下見ではとりあえず行ってみるしかないということでした。社内には安全を見ている部署もありまして、普段は工場の現場とかを見ているのですが、被災地の現場の写真などを見せて破傷風の予防などのアドバイスを受けました。その後、会社からもゴーサインが出ました。

山本:最終的に何名が現地に入られたのでしょうか。

斎藤:去年が480名くらい。今年も10月までに480〜500名くらいです。

山本:参加された社員の皆さんの感想はいかがですか。

斎藤:現場に行かないと分からないという意見は数多くありました。最終的に活動をするのは個人ですが、会社としてはよい後押しができたと考えています。

山本:行かれた方はどのような形で募集したのでしょうか。

斎藤:無給のボランティアで対応し、募集は社内のイントラネットで周知しました。イントラを見ることができない工場ではマネージャーから周知してもらいました。

山本:ボランティア休暇は活用できなかったのですか。

斎藤:ありますが、取れる人と取れない人がいます。持越しできない有給が残っている場合のみの取れるのですが……。

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