東日本大震災から明日へ

宮城県大指の東北グランマそれぞれの復興

「大指ワカメは歯ごたえがあって味が深い。今からが勝負。」
~株式会社 鵜の助(うのすけ)

お父さんたちからも改めて311からを聞いてみた。東北グランマメンバーの佐藤あき子さん、老川純子さん、恵津子さん親子が参加する株式会社鵜の助(うのすけ)代表 西條武さんは、大指(おおざし)で残った8艘の船のうち一つの持ち主だ。

「3月11日の地震はすぐ尋常じゃないと分かった、とっさに浜辺に走って“沖出し”(船を沖に出して津波から守る)しました。大指からは8艘、他の十三浜地域からも50以上が沖に出て、陸を見ると津波の真っ白な水しぶき、これは絶対ヤバイ!と。」しかしガレキで陸に帰れない、携帯はつながらない。「夜に小型ラジオが気仙沼の街全体が火災と言っている、見ると真っ暗闇に気仙沼の方だけ真っ赤な炎が見える、地獄のようでした。翌日夕方に陸に戻ると風景が全く変わって何もない、家もない、本当にびっくりしました。」

“沖出し”で守った船と西條さん。

震災後、地震で大指の地盤は1メートル以上も地盤沈下、1/3程度補修されたが、今現在も正常レベルには復旧していない。海の状態がどう変わっているか「秋に種付けしても良いワカメが出来るのか本当に不安で」、しかし2012年春のワカメは、収穫量こそ少ないが満足できる品質だった。「ワカメは造り方が違うと差が出る。早く出荷しようと種付けや収穫を早めると、柔らかいけれども味が浅い、ウチのワカメは時間をかける分、歯ごたえのある深い味が特徴」と西條さん。

一般に漁業の場合、家ごとに独立する仕事だが、震災後には補助金等を受ける基準として(3名以上程度の)“グループ化”が求められた。家が近かったメンバー4人が集まって株式会社鵜の助としてスタートしたのは2012年1月、自分たちの家があった土地にNPO団体の支援でテントを張ってもらい、塩蔵処理など最低限の加工場をつくった。土地代はタダだが、施設にかかる毎月の電気代などは全部自腹だ。

「メンバー4人とも(限度額に近い)1,000万円レベルの融資を受けました。利息もないし猶予期間もあるけれど、いずれは返すお金。機械がない間にお世話になってきたボランテイアの皆さんも段々と減っていくでしょうし、早く加工場も立て直さないと。」

ワカメとともに2013年から昆布、ホタテ、ホヤ、秋サケと少しずつ従来の漁に戻していく。震災前は漁協を通じた共同販売が主体だったが、悪戦苦闘しながら個人向けホームページの準備も始めた。「流れに任せて何とかここまで来た、これからが勝負でしょう。」と西條さんは静かに語った。

「株式会社 鵜の助(うのすけ)」へのお問い合わせはコチラ

〒 986-0201宮城県石巻市北上町十三浜字大指13番地
Tel/Fax0225-66-2088  E-mail: Ozashi@unosuke.jp
http://unosuke.jp/

被災地ファンドを通じて鵜の助チームを応援しよう。
http://www.musicsecurities.com/communityfund/details.php?st=a&fid=328
現在、ミュージックセキュリティーズ株式会社が展開する個人向け被災地応援ファンドの一つとして、「鵜の助4人の漁師ファンド」が2013年3月31日まで募集中です。(申込単位は1口、出資5,000円+応援金5,000円からとなります)
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