東日本大震災から明日へ

宮城県大指の東北グランマそれぞれの復興

「地域全体で風評被害と闘いながら、震災前より元気な大指にする」
~漁業生産組合 浜人(はまんと)

震災後、大指(おおざし)でグループ化したもう1チームが、東北グランマメンバーの高橋睦子さんと阿部由美さんが参加する漁業生産組合 浜人(はまんと)だ。

「震災前よりも、もっと元気な十三浜にしたい!」と阿部さんの息子さんの阿部勝太さんや幼馴染の西條達也さん(「浜人」理事)の20代若者パワーもあり、いち早くグループ化を決めた「浜人」は、現在、複数の家族が仮設の加工場に集まり、ワカメの養殖・加工・販売から再スタート。多い場合は一家族2,000万円以上の新たなローンをかかえながらも、新しい加工場の建設も進むものの、問題は何といっても風評被害だ。


高橋睦子さん(左)は震災で家を失い、仮設住宅暮らし。「だから、こうして皆で作業が出来るのが嬉しい」と語る。 “ワカメや昆布のおかずセット”もグランマたちの発案だ。写真は高橋睦子さんと阿部由美さん(右)

「風評被害さえなければ、とっくに立ち直っていた」という声は、あちらこちらから聞こえる。大指以外の他十三浜地域では半分、少ないところは2割しか漁業を継続しなかった。借金してゼロからスタートしても(風評被害で)売れなければ生産する意味がない、立ち上がる意欲がわかない、そういって諦める人が多かったという。

「(震災の年より)2012年に入ってからの方が、風評被害は厳しい。」と阿部家の主、阿部浩さんは語る。漁協を経由してはもちろん、複数の専門検査による抜き打ち検査を定期的に継続しているが「(地形に恵まれたのか)大指の海のものは全く問題は出ていません。」養殖モノは海を移動せず、年に1度まとめて収穫するので、検査結果はシーズンいっぱい有効なのだが「なかなか、ご理解いただくのは難しい」。

大指には小学生の子どもも多い。だから「子どもの食べるものを心配する気持ちは分かる」が、風評被害は生産者に悔しい。もともと大指ブランドの品質には自信がある、震災前まで “知る人ぞ知る”ブランドをもっと知らしめたい。これからも良いものをつくり「定期検査を継続し、安全証明を同封する」など、粘り強い誠実な対応を続けていくつもりだ。

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〒986-0201 宮城県石巻市北上町十三浜字山居40-2
Tel.0225-66-2071  Fax: 0225-66-2209  E-mail: info@wakamo.jp
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