CSRフラッシュ

あなたも被害者になる⁈知って防ごう ネット詐欺

警視庁のスマホ防犯教室から

高齢者もスマホをもつのが当たり前の時代です。SMSやメールで友人や社会とつながるスマホは携帯電話というよりも小さなパソコン。その機能に不慣れな高齢者がサイバー犯罪に巻き込まれる被害が増えています。こうした犯罪から高齢者を守るため、警視庁は都内在住の65歳以上の方を対象に都内各地で「スマホ防犯教室」を開催しています。ネット詐欺被害に遭わないための対策を紹介しましょう。(2023年11月9日公開)

スマホを使った犯罪が増えている(スマホ防犯教室から)

高齢者が狙われている
詐欺被害に遭わないための心構えをしっかり身に着けよう

本誌記者は東京都内で31カ所目となる調布市で開催された「スマホ防犯教室」に参加しました。会場はほぼ満杯。この日は35名が参加しました。

講師は、警視庁サイバーセキュリティ対策本部から委嘱された(株)カーテンライズの橋本篤さん。普段はスマホやタブレットの使い方を訪問レッスンする会社の代表取締役です。

講師の橋本篤さん

プログラムは、スマホ詐欺で主な手口となっている「架空料金請求詐欺」と「フィッシング詐欺」の紹介から始まり、タブレットを使って2つの詐欺被害を疑似体験させたり、スマホのセキュリティの設定方法、行政のデジタルサービスの利用法についても学びました。

「スマホ防犯教室」の終了後には、参加者それぞれの困りごとに対する個別相談も行われました。


架空料金請求詐欺からどう守るか

架空料金請求詐欺がどんなものかご存じですか。利用していないサービスの料金を請求し、架空の料金を支払わせようとする詐欺です。

実在する会社や役所、団体になりすまして、あなたに「利用料金の確認が取れていません」「税金の滞納があります」などの連絡がSMSやメールで入ります。

「本日中にご連絡ください」「至急ご連絡ください」とせかし、対応しないと「訴訟」や「法的手続き」という脅し文句が使われる例も多く、冷静な判断ができなくなって、ついつい相手の誘導のままに料金の支払いに応じてしまうというケースです。

支払いには電子マネーカードが使われるため、証拠はほとんど残りません。

なかには、懸賞金に当選したという連絡が入り、その手数料が請求されるという例もあります。

「スマホ防犯教室」では、架空料金請求詐欺被害に遭わない対処法として、①SMSやメールに書かれている内容を信用しない ②せかされても電話をかけない ③要求されても電子マネーカードを購入しない、などの対策があげられました。まずはあわてず冷静になることです。


フィッシング詐欺からどう守るか

実在する企業やサービス名を語り、偽のメールやショートメッセージで、本物とそっくりの偽サイトに誘導し、クレジットカードの情報や個人情報を盗んだりするもの。なかにはウイルスに感染するものもあり、注意が必要です。

最近の事例では、①ニセ宅配詐欺(宅配の不在通知を装ったもの。不正アプリをインストールさせたり、個人情報を入力させる) ②ニセショップ詐欺(安売り広告から誘導して商品を送らなかったり、代金をだまし取る。個人情報やクレジットカード情報を盗む)  ③ニセ銀行詐欺(ログイン情報やワンタイムパスワードを入力させ、銀行口座から預金を引き出す)  ④ニセアプリ詐欺(不正なアプリをインストールさせ、必要のない情報にアクセスさせて、個人情報を盗む) などが急拡大しています。

なかには実在する企業のWEBページそっくりにつくられたものもあり、「アカウント停止のお知らせ」や「宅配便の不在通知」を名乗って心理的に焦らせるのが特徴です。

被害に遭わない対処法としては、①心当たりのないメールは無視する ②不用意にメールのリンクは押さない。ニセのサイトが開き、情報を入力するよう求められます ③不用意にパスワードは入力しない ④口座、クレジットカード情報は入力しない ⑤ID/パスワードは使いまわさない ⑥公式アプリやブックマークからメールが本物か確認する、などの対策があげられました。

「スマホ防犯教室」の参加者には、2つの詐欺を疑似体験してもらうため、タブレットを使って2つの詐欺の手口を実体験させるコーナーもありました。


あなたのスマホのセキュリティは万全ですか

この日の「スマホ防犯教室」では、セキュリティ設定の大切さについても学びました。

基本的なセキュリティとしては、①スマートフォンの画面にロックを掛ける ②OSやアプリは常に最新の状態にアップデートする ③セキュリティソフトを導入する ④アプリのダウンロードは慎重に ⑤サイトごとにID/パスワードを使い分ける(1冊のノートにまとめると良いでしょう)、などのアドバイスがありました。

なお、「スマホ防犯教室」は会場型講座(参加無料)のほか、オンライン型講座も行われています。詳しくは『あなたのスマホが狙われている!?「スマホ防犯教室」 警視庁 (tokyo.lg.jp)』をご覧ください。

スマホ防犯教室のポスター

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