震災ボランティア

「奇跡の石巻モデル」7カ月の災害ボランティアから学ぶ

ピースボート災害ボランティアセンターの活動から

東日本大震災直後の3月17日にいち早く宮城県石巻市に入ったピースボート。現地の惨状を見て自分たちにできることがあるのか、半ば絶望に近い感情を抱いたという。あれから7カ月、被災地は瓦礫の撤去も進み、復興に向けた一歩を踏み出した。ピースボートの災害ボランティア活動には、9月末で8,200名、延べ人数41,000人が参加した。うち国際ボランティアは延べ49か国2,337名、企業ボランティアは45社+28団体で延べ2,933人にのぼる。これまでの活動を振り返る報告会が10月半ばにあった。

 
震災を風化させない活動をこれからも 
 
石巻災害復興支援協議会代表理事
伊藤 秀樹

おばんです。石巻でボランティアの会議を始めるときの挨拶はこの言葉で始まります。実は一昨日11月11日をもって避難所が解散しました。一時は5万人が避難していました。緊急事態はとりあえず終わりましたが、まだまだ支援を必要とする被災者はたくさんいます。この7カ月の活動はすさまじいものでした。劣悪な生活環境の下で、泥だし、瓦礫撤去にボランティアの皆さんが大奮闘してくれました。いつも足場はぬるぬる状態ですし、臭いもする劣悪な環境の中でした。石巻市民はボランティアの皆さんの活動を見て、生きる望みを持ち始めました。

ピースボート災害ボランティアセンターは、石巻災害復興支援協議会が発足した当初からのパートナーです。石巻市の災害ボランティアセンターとも連携してくれました。私たちの活動は、“奇跡の石巻モデル”と呼ばれるまでになりました。皆さんに心から感謝いたします。

第一部:災害ボランティアセンターの活動を振り返って

 この7カ月の活動から主な取り組みを再確認し、復旧から復興に向けた足取りを探ると……

 3月

 ・3月17日に先遣スタッフ4名が石巻に到着
・水、食料などの第一次救援物資を配布
・全国で街頭募金を開始するとともに災害ボランティアの一般募集を開始
・3月26日に第一次現地派遣ボランティア約50名が到着(以後、毎週金曜日に出発)泥かき、民間物資倉庫の管理、避難所でのお手伝いを開始。

4月

・石巻中心部の泥かき、がれき撤去「まちなかスマイルプロジェクト」を開始
・中東6か国の駐日大使による石巻視察をコーディネート
・中南米6か国の駐日大使による石巻視察をコーディネート
・4月19日 一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)を設立
・4月27日 大型連休対策として、追加180名のボランティア受け入れを決定

 5月

・保育所・幼稚園の泥かき・清掃 「子どもスマイルプロジェクト」を開始
・5月7日 1日当たり最大となる600名以上のボランティアが活動
・神戸・名古屋・大阪などでも災害ボランティア説明会を実施

6月

・現地居酒屋で「セントラル・キッチン」をスタート
・漁具回収・漁業支援を開始
・6月12日 「震災から3か月、災害ボランティア報告会」を実施
・「東日本大震災犠牲者 石巻市慰霊祭」に参列

7月

・静岡で災害ボランティア説明会を実施
・避難所の虫除け・熱中症対策として網戸設置を開始
・英国外務省国務大臣の石巻視察をコーディネート
・「第1回福島子どもプロジェクト」で南相馬市の中学生49名が成田空港を出発

8月

・「第88回石巻川開き祭り」で「石巻復興市」を実施、ステージのコーディネートも
・仮説風呂「絆の湯」「不動の湯」をオープン

9月

・町のクリーンアップ
・仮設住宅への情報新聞「絆しんぶん」を配布

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