CSRマガジン 年始特集

2012年新たな出会いと希望に向かって

  1. 石巻市立蛇田小学校 教諭 木村 明子 氏
  2. [コラム] 地域を結ぶ「復興大漁旗」
  3. 元国連UNHCR協会事務局長 高嶋由美子氏
  4. 株式会社ドウゾ 代表取締役CEO 棚田 信子 氏
  5. 非営利型一般社団法人 チームともだち 代表理事 登内芳也氏
  6. 株式会社久慈ソーイング 代表取締役 中田利雄 社長
  7. [コラム] 街中、ダルマだらけ大作戦
  8. NPO法人ポラリスプロジェクトジャパン 代表 藤原志帆子氏
  9. ソーラーエネルギージャパン 代表 宮本 ルミ子 氏
  10. CSRマガジンスタッフ(宮城県仙台在住) 藤森有紀
  11. 拓殖大学国際学部 長坂 寿久 教授


<震災後に被災地の仕事づくりと子どもたちの未来を応援する(社)チームともだちを設立
非営利型一般社団法人 チームともだち 代表理事 登内芳也
「2011年を振り返って、2012年に向かって」

リーマンショックから2年が過ぎ、ようやくどん底から抜け出し、群馬県の町工場仲間たち((株)下請の底力)と「東アジアに攻めに出るぞ!」と決めて、中国、台湾、韓国を飛び回っていたのが2011年のスタートだった。
新しい市場である農業分野の仕事も形になりつつあった。
そんな矢先に起きた3.11。

最初は混乱もし、多くの問題で頭がパニックになりかけていたが、冷静さを取り戻せたのは「理念」の存在だった。
(株)下請の底力を立ち上げるときにメンバーたちが何日もかけてつくったものである。

「世の中の『困った』を解決し、関わった人たちを幸せにすること!」

この理念の存在のおかげで、すべきことは明確であった。
被災地もそうでないところも『困った』は山ほど存在している。
優先順位を決めて、出来ることから動いていった。
そして「チームともだち」ができた。

最初は被災者と話すのが怖かった。
何を話していいかわからなかった。

しかし、徐々に「何に困っているのか?」が見えてきて、その解決のためのプロジェクトがいくつも増えていった。
活動資金も足りない、解決のためのスキルも足りない。
そんな中でも小さいながら成果を出せたのは、やはり「人(仲間)」の力だった。
これは被災者の方々も同じであろう。
2011年は改めて「仲間」の重要性を認識した。

放射能問題を抱えている以上、これからも予想できないことが多々出てくるであろう。
特に人の心の問題が。
しかし、いい仲間が集まり、知恵を出し合えばきっと解決できると信じている。

2011年の出来事は、これから子供たちの歴史の教科書に刻まれる。
しかも、小さな出来事ではなく、とても大きな出来事として。
明治維新や太平洋戦争、広島長崎の原爆などと同じ、いや、それ以上の出来事としてこれから永遠に刻まれ続ける事柄であろう。

今の問題を収束させるのも、更に被害を大きくするのも、結局は今この時代に生きている我々が「何をするのか?」によって変わる。
だから、どうせ何かをするなら、みんなで幸せになれるような動きをしたい。
大きなことができなくても、小さいことでもそこに繋がることならみんなで積極的にすべきと思う。
そのためにはやはり「仲間」の力が必要である。
人数が多くなれば、問題も出てはくるが、同じ理念に向かって動けばきっとうまくいくと信じている。

2012年もこの理念に沿って、同じことをしていくだけ。
被災者にとっての仲間になってあげたい。
同時に、仲間が力を貸してくれるような活動にしていきたい。
そのためにも自分がもっと変わらねばならない。

「チームともだち」ホームページ
http://tomodachi.in/


岩手県久慈市で縫製業を営む。津波で100台のミシンが被災。
株式会社久慈ソーイング 代表取締役 中田利雄 社長
「震災は悔しい、そして感謝している」

2011年は良くも悪くも私の人生に1度しかないであろう年だ。

震災で工場の全てが流された、津波を思い出すと今でも悔しい思いでいっぱいだ。
しかし、震災の当事者となり、再起しようと懸命に取り組むなか、人の有難さ、温かさを実感した。秋田や東京の企業の方がミシンを調達・貸出してくださり、山形の企業からも新たな仕事を頂戴した。企業だけでなく全国の一般家庭の方々からも支援の申し出をいただいた。
震災直後、解雇した38名の社員が現在は21名まで復帰させることができたが、これも私の力ではなくて、皆さんが作ってくれたものだ。

震災でゼロになったけれども、震災前よりもヤル気が出てきた。
今は、震災に感謝している。震災がなければ皆さんと出会うことはなかった。

2012年は何としても生きのびていく、そしてきちんと結果を出して、皆さんに「ここまでやれました、ありがとう」と言えるものをお見せしなければいけないと思っている。

CSRマガジン特別編「心を繋ぐ、東北グランマのクリスマスオーナメント」はコチラ↓
http://csr-magazine.com/2011/12/22/analysts-grandmap/

街中、ダルマだらけ大作戦
東北応援七転び八起き」と銘打ったダルマ市が、東京・調布市の深大寺曼珠苑ギャラリーで開催。東北、特に福島の三春、福島、いわき、白河、会津などの各地でつくられたダルマが多数展示・販売されました。主催者の「だるチャンプロデュース」の貴山圭子さんも調布市在住ながら福島県出身で、故郷の復興を祈っていました。
(記事冒頭だるま写真も同様)
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