CSRマガジン 年始特集

2012年新たな出会いと希望に向かって

  1. 石巻市立蛇田小学校 教諭 木村 明子 氏
  2. [コラム] 地域を結ぶ「復興大漁旗」
  3. 元国連UNHCR協会事務局長 高嶋由美子氏
  4. 株式会社ドウゾ 代表取締役CEO 棚田 信子 氏
  5. 非営利型一般社団法人 チームともだち 代表理事 登内芳也氏
  6. 株式会社久慈ソーイング 代表取締役 中田利雄 社長
  7. [コラム] 街中、ダルマだらけ大作戦
  8. NPO法人ポラリスプロジェクトジャパン 代表 藤原志帆子氏
  9. ソーラーエネルギージャパン 代表 宮本 ルミ子 氏
  10. CSRマガジンスタッフ(宮城県仙台在住) 藤森有紀
  11. 拓殖大学国際学部 長坂 寿久 教授


太陽エネルギーを活用した調理、調理器を普及
ソーラーエネルギージャパン 代表 宮本 ルミ子 氏
「広げたい! 太陽エネルギーをクッキングに」

ソーラーエネルギージャパン(SEJ)は、太陽エネルギーを活用した調理器、ソーラークッカーの普及に努める団体です。私の夢は、この国の未来を担う学生の皆さんにソーラークッカーの原理を広げ、オリジナルのクッカーを作ってもらい、ロボコンのような「ソーラークッカーコンテスト」をやることです。

2011年は、3.11の影響で電力不足が叫ばれ、ソーラークッカー普及の大きなチャンスを迎えましたが、私ごとながら義母の死などに見舞われ、いささか不十分な取り組みしかできませんでした。ただ、私のもう一つの活動であるMusic Joy Miyamotoの環境支援コンサートでは、震災各地の支援を多数行うことができました。

SEJでは昨年12月に早稲田大学の外村孝史先生や、学生さんたちに新たに組織に入ってもらい「SEJ・WASEDA」を立ち上げました。また、京都大学の新宮秀夫名誉教授が開発した「レンズ式ソーラークッカー(通称はんたか)」という有望な成果も生まれています。2012年は、自然エネルギーの新しい活用方法を研究課題に取り上げ、ソーラークッカーの普及活動を加速させたいと考えています。
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/2623/html/ecocat.html


福島県郡山市出身、宮城県仙台市在住
CSRマガジンスタッフ 藤森有紀
「この国で、春に向かって生きる」

2011年の春は、初めて桜が悲しく見えた年だった。震災であんなに人々を傷付けた自然が、時が来ると何事も無かったようにきれいな花を咲かせた。けれども、この桜を今年は見られない人がたくさんいると思うと、満開の花がむしろ寂しく映った。

一方で、自然に救われた人もたくさんいた。津波で流された家の跡地にひっそりと咲いた水仙を見つけ、この花のように頑張りますとおっしゃったご婦人。瓦礫の残る川に帰ってきた鮭に勇気づけられた人たち。自然は悲しみも喜びももたらした。

2011年、私たちは実に多くの人たちに助けられた。警察や消防、役所や自衛隊、病院、自治会やボランティア、米軍はじめ諸外国、数え上げたらきりがない。一般の企業でも人々は信じられない力を発揮した。皆が皆、自分の持ち場で一刻も早く「いつも」の状態に戻す努力が行われ、驚異的なスピードで回復させてくれた。企業が”いつも通り”になってくれることが、人々の生活を通常に戻してくれる。日本人の粘り強さ、底力を発揮した瞬間だった。心から感謝したい。

日本は自然豊かな国だ。新しい年も、自然は時に困難を、時に安らぎをもたらすだろう。自然がどんな顔を見せようと、私たちはこの国に住む限り、持っている知恵と力、そして誇るべき粘り強さと勤勉さで、自然と共に生きていかなければならない。今年の春はできるだけ多くの人が穏やかな心で桜を楽しめたら、と思う。

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