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食の都パリで「東北の食と酒」の試食会を開催

震災復興の軌跡と思いを世界に伝える

「復興五輪」と銘打った東京オリンピックの開会式に合わせ、次の五輪開催地フランス・パリで「東北の食」をテーマとした試食会が行われました。パリ在住のシェフや食に造詣の深い方々、2024 年のパリ五輪関係者など約 30 名が集い、福島・宮城・岩手3県から送られた海の幸、山の幸、そして東北産のお酒を堪能しました。(2021年8月30日公開)

食材や料理をシェフに尋ねる参加者たち

コロナ禍で実現できなかった“東北の豊かな食”のアピール

東日本大震災を乗り越えた東北の姿を世界にアピールする機会となるはずだった東京オリンピック/パラリンピック。来日した海外の皆さんに現地で“東北の豊かな食”を味わってもらうことで、原発事故による風評払拭にもつながると期待されていました。

しかし、コロナ禍の急拡大もあって海外観客の受け入れは見送りとなり、東北の人々の願いは国内では実現されませんでした。

震災後の福島、宮城、岩手の3県で「食」に関する事業を行う農業・水産業・食関連事業者を対象に、さまざまな支援活動を展開しているNPO 法人 ETIC.(エ ティック/東京都渋谷区)と一般社団法人東の食の会(東京都品川区)では、米金融大手の J.P.モルガンの協賛のもと、海外展開支援プロジェクトとして「東北グローバルチャレンジ」を立ち上げてきました。

2019 年 9 月から 2021 年 3 月を、欧州やアジアの貿易規制、マーケット分析および事業課題の分析などの座学や現地試食会・商談会の開催を通じた輸出促進の機会を図る期間と位置づけ、復興した東北の姿を海外に発信する次善の策を検討しました。

その結果、東京五輪の開会式当日に次のオリンピック/パラリンピックの開催地であるパリの市庁舎で「東北の食と酒」の試食会を開催することとなりました。

東北の食を次の五輪開催地へ、そして世界へ

「ヒューマンレガシー・ダイニング〜テロワージュ東北 in パリ〜」と名付けられた今回のイベントは、東京五輪の開会式に合わせて始まりました。まず、東京五輪開会式の 1 時間前に、内堀雅雄福島県知事と東北の生産者らがオンラインで登壇し、この10 年間の復興の歩みを語るとともに、当日の提供食材の説明などを行いました。

10年にわたる東北の歩みをオンラインで語る内堀雅雄福島県知事

震災後の苦難のどん底から復興を図り、努力の末に消費者の信頼を勝ち取ってきた生産者の生の声は参加者の大きな共感を呼びました。

当日のメニューには、福島・宮城・岩手の3県から送られたコメ・海藻・水産品・フルーツ加工品の約 20 品目が使用され、同じく東北産の日本酒・ワイン・クラフトビールとともに提供されました。

試食会のメニューの一部

参加者からは、料理に用いられた食材に対する質問が次々と寄せられましたが、福島原発事故の風評に対するコメントなどは一切ありませんでした。

なお、会場と東北の生産者たちをつなぐプレゼンテーションの模様は、オンラインで世界に向けても配信されました。

食事を楽しむ参加者の皆さん

食事を楽しむ参加者の皆さん

■当日の日本側参加者
・高橋大就氏(一般社団法人東の食の会 専務理事・福島県浜通り地域代表)
・内堀雅雄 福島県知事
・カトウファーム(福島県福島市)加藤晃司・絵美氏
・ももがある(福島県福島市)齋藤由芙子氏
・ABE Fruit(福島県福島市)阿部秀徳氏
・大島蒟蒻店(福島県白河市)吉島祐輔氏
・肉の秋元本店(福島県白河市)秋元雅幸氏
・haccoba(福島県南相馬市)佐藤太亮氏
・きのこハウス(福島県西会津町)佐藤昭子氏
・秋保ワイナリー(宮城県仙台市)毛利親房氏
・千歳丸(岩手県大船渡市)千葉豪氏 ほか

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