CSRフラッシュ

舞台セットも衣裳もプラスチック。

ドラマチック・バレエ「プラスチック」上演へ

本誌でもたびたび取り上げてきたプラスチックごみ問題。日本人1人あたりのプラスチックごみの廃棄量はアメリカに次いで世界第2位となっています。コロナ禍の在宅消費需要もあってプラスチックごみは増える一方です。日本が世界に誇るバレエダンサー熊川哲也さん率いるKバレエ カンパニーとBunkamuraによるプロジェクトK-BALLET Optoは、新たなテーマとしてSDGSを取り上げ、1月8 日(日)・9 日(月・祝)の2日間、KAAT 神奈川芸術劇場で、ドラマチック・バレエ「プラスチック」を上演します。(2022年12月28日公開)

写真は Hajime Watanabe

能楽堂で行われた製作発表会

バレエダンサー熊川哲也さんが仕掛ける次なるテーマは、地球環境に多くの負荷を与えているプラスチックごみ。バレエ作品を通して環境汚染を身近な問題として考えようとするコンセプトのもと、ドラマチック・バレエ「プラスチック」の製作発表会が、このほどセルリアンタワー能楽堂(東京渋谷区)で行われました。

発表会は、ミュンヘン・バレエのプリンシパル、ジュリアン・マッケイさんを迎え、熊川哲也さんが主宰するKバレエ カンパニーのダンサーたちとともに2つの新作『ペットボトル迷宮』『ビニール傘小町』のデモンストレーションから始まりました。

写真は Hajime Watanabe

出演ダンサーによるデモンストレーション動画はこちら


新プロジェクトOptoで目指すもの

新作「プラスチック」は、Bunkamura オーチャードホールフランチャイズカンパニーでもあるK バレエ カンパニーとBunkamuraによる新プロジェクト『K-BALLET Opto』の第2作目として発表されるもの。

新進気鋭の振付家によるオリジナル作品や他ジャンルとのコラボレーションなど、ダンスの魅力を多角的に捉えた作品で、K-BALLETの新たな光(=Opto)を生み出し、より多くの方々に鮮烈なライブ体験を提供することを目指します。

写真は Hajime Watanabe

『ペットボトル迷宮』に出演するジュリアン・マッケイさんは、「僕たちが踊ることによって、普段皆さんが考えていない問題に光を照らすことができれば幸せです」と語りました。ジュリアンさんは美しく大胆なバレエを通して環境問題を身近に感じて考えることができる、面白く刺激的なバレエ公演にしたいと抱負を述べています。

本公演の企画、構成、原案を担った高野泰寿さんは、「いま、熊川は特に環境問題を意識しています。芸術がどのように問題解決に貢献できるかをアプローチしたのが『プラスチック』です」と語っています。

本作品の舞台では、ビニール傘とペットボトルをモチーフに新たなドラマチック・バレエ2作品を上演。ごみとして捨てられるはずだったプラスチックごみたちが、大胆かつポップに舞台に彩られることで、美しさとともに問題提起もしていく試みです。

なお、高野さんによる以下のようなミニコラムが届いています。


ミニコラム1:スポットライトを照らす人

11月下旬深夜、もうすっかり街路樹の葉っぱが、紅から憂うつな褐色へと冬支度を進める頃、私たち制作チームは表参道けやき並木通りへと集まった。今回、アレッシオ・シルヴェストリン演出の『ペットボトル迷宮』では、舞台セットに約10,000本のペットボトルを利用する。巨大なペットボトルの壁がダンサーたちを取り囲むのだ。そして、これらペットボトルは全てリサイクル品を使う。ゴミとして捨てられる定めにあったペットボトルが、バレエという煌びやかな舞台の上に蘇ることを目指す。

ミニコラム2:リサイクルを阻む意外なものとは?

昨今、日本ではSDGsの名の下、ゴミの分別意識は非常に高まっており、また集められたプラスチックを繊維へと生まれ変わらせる技術など、その分野の技術発展は目を見張るものがある。分別をしてもリサイクルには繋がらない?これはどういう意味なのだろうか?そこには、物流コストという隠された課題があった。


OrchardシリーズPwC JapanグループPresents 
K-BALLET Opto「プラスチック」
『ペットボトル迷宮』
振付・演出・台本:アレッシオ・シルヴェストリン 企画・構成:高野泰寿
出演:ジュリアン・マッケイ(ミュンヘン・バレエプリンシパル)、飯島望未、日髙世菜、堀内將平、成田紗弥、他 K バレエ カンパニー

『ビニール傘小町』
振付・演出:渡辺レイ 企画・構成・台本:高野泰寿 原案:三島由紀夫「近代能楽集『卒塔婆小町』」 太田省吾「小町風伝」
出演:白石あゆ美、石橋奨也、山本雅也、小林美奈、杉野慧、他 K バレエ カンパニー

【日時】2023/1/8(日) 12:30開演| 16:30開演1/9(月・祝) 12:30開演(全3公演)【会場】KAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉(神奈川県横浜市中区山下町281)
【チケット(税込)】S席9,000円A席7,500円B席3,000円
【公式サイト】https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/23_opto_plastic/
【主催】Bunkamura / K-BALLET
【協賛】PwC Japanグループ
【提携】KAAT神奈川芸術劇場


<関連記事>
SDGsユーモアイラスト原画展を国連WFP協会が開催
十勝産エゾ鹿肉を使ったジビエ料理で地域おこしを
温室効果ガスの削減対策は道半ば~WWFジャパンのCOP27報告か
相違点よりも類似点~第24回大使館員日本語スピーチコンテスト2021
がん患者と家族を支援する「リレー・フォー・ライフ」に日本トリムが協賛
世界食料デーにあわせて「おにぎりアクション2022」開催
国境なき子どもたち(KnK)発足25周年ワークショップ
生活困窮世帯の保護者1,902名へのアンケートから
ドールの『バナナエシカルバリューチェーンプログラム』が始動
カーボンオフセットで途上国の森は守れるのか

トップへ
TOPへ戻る